無視する能力

  • 2017.03.22 Wednesday
  • 05:52
毎日新聞から:
深谷顧問「都民ファーストは落ちこぼれ」

 自民党東京都連の深谷隆司最高顧問(元通産相)は21日、東京都議選に向けた都連と党本部の合同会合で、小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が擁立する候補予定者について「自民党の公認を得られない落ちこぼれとか、全く(選挙戦が)やばいという立場の人ばかりだ」と指摘した。出席者が明らかにした。深谷氏はそのうえで「堅実に頑張った人たちに勝つわけがない」と述べ、自民党公認の候補予定者らに奮起を促した。【加藤明子】


アホかいなと思うと同時に、自民党には今でも「落ちこぼれ」が存在するのかと驚いた。

確かに小生が小学生の頃には、どこのクラスにも落ちこぼれが存在した。四十数名の中で数名。クラス替えのときにはそのような生徒が集中しないようにしていたのが、子どもの目にもわかった。だが、現在の小中学校では落ちこぼれは存在しない。従来は数名であった存在が集団で存在するようになった結果、試験の点数分布に二つの山が存在するようになったのである。いきおい、授業もどっちつかずのものになってしまう。

そして従来ならば「落ちこぼれ」とされた成績の生徒が、周囲に似たような生徒を簡単に見つけることができるようになってしまったために、全く危機感を抱かない。算数で言うならば、一桁の足し算引き算を瞬時にできない。指折り数えるのである。自分の置かれている立場の危うさは見えていない、見ようともしない。

・九九と足し算引き算
・ローマ字の読み書き
・天気予報の文章を理解できる程度の国語力

この辺りを就学前の当たり前の能力として中学の教師が扱えたのは、二十年前までである。アルファベットが怪しいので英和辞典が使えないだけでなく、国語辞典もまともに引くことができない。わからない言葉や読めない漢字に出会うと、「無視」するのである。アベの読む原稿にルビが振ってあることは周知の事実だが、原稿を作ったライターもまさか「云々」を読めないとは思いもしなかったのだろう。

教育に熱心と自負している首相がこれである。「無視する能力」が卓越していると考えれば、Facebookで批判するコメントを寄せる主をブロックしたり、国会の前での大勢のデモを意に介しないような言動と辻褄が合う。周囲をイエスマンで固めているがために、平気で強行採決を繰り返す。

共謀罪も強行採決で押し切るのだろう。テロ等準備罪?ならば戦争という国家レベルのテロを画策しているアベとアソー、スガは真っ先に検挙されなければならない。そうならないのだとすれば、「反自民党検挙法」とすべきである。

1ポイント= 1円?

  • 2017.03.16 Thursday
  • 01:40
J-CASTのニュースより:
財布、カードでパンパン、ヨレヨレな人の「共通点」

手持ちの現金や小銭がない時にサッと取り出し、支払いを済ませる。日常生活でカードのお世話にならない人は、いないのではないだろうか。

CCCマーケティングが全国の15〜69歳の男女3006人を対象に調査(2017年1月23日〜1月26日実施)したところ、国民一人当たりが保有するカード(クレジットカードや電子マネー、ポイントカードなど、すべての個人カード)の平均枚数は、約20枚になるという。

多くのカードを持っているのは専業主婦とSOHO

カードの保有枚数は、全体で20.9枚。そのうち、男性は17.8枚、女性は24枚。また、実際に財布に入れているカード枚数は全体で10.7枚。男性は9枚で女性が12.3枚となり、いずれも女性のほうが多いことが分かった。

次に職業別にみると、カード保有枚数が一番多いのはSOHOの27.1枚。次いで、2位が専業主婦の25.4枚、3位が派遣社員・契約社員、会社経営(経営者・役員)の22.4枚と続き、4位が会社勤務(管理職)の22.3枚、5位は公務員・教職員・非営利団体職員の22.2枚だった。

職業別に財布に入れているカード枚数で多いのは、1位が専業主婦の12.7枚。2位がSOHOの12.2枚、3位は派遣社員・契約社員の11.6枚、4位はパート・アルバイトの11.4枚、5位が会社勤務(管理職)、専門職(弁護士・税理士等・医療関連)の11枚となっており、どちらも専業主婦とSOHOが上位となった。

世の中の人たちがどうカードを使いこなしているのか、ツイッターを探ってみると、

「セブンのレジ前で、ナナコカードを財布から探して見つからないとダサイ主婦してたら、店員さんが、財布ごとかざせば 反応するはず! と教えてくれたので、半信半疑で分厚い財布かざしたら... 支払い完了! クレカもポイントカードも、ワオンも入ってたのにwすごい!」
「今日コンビニでTポイントカード使うっていうた主婦が2万ポイントも持ってて唖然とした」
「人見知りにとってポイントカードは得をする為でなく、店員とのやりとりを避ける為に作る。また、ポイントカードを忘れた場合も『忘れました』と申告するのを避ける為に持っていないフリをする。こんなことをしていると財布にポイントカードが大量にたまる」
などと、それぞれの事情が垣間見えた。

ポイントやマイルの貯まりやすいカードを使い分け

 なかには、

「ポイントやマイルの貯まりやすいカードを使うことによって私も含め輸入ビジネスのみならず転売ビジネスに取り組んでいる知り合いは海外仕入れに行く際の航空券や旅行にいく際の航空券にはお金を払った事がないです」
「暇なんでカードのポイントチェックしてたら、マイルと合わせてヨーロッパビジネス一往復行けそうだという事に気づく」

といった景気のいい声もあった。

もしかしたら、カードを使い分けたはいいが、そのポイントを貯め込んで忘れてしまっている人も少なくないかもしれない。

さらに、持っている財布から人柄がにじむとばかりに分析。

「お財布は人生の縮図だなと感じる。お金を持っている方の財布は大体が長財布、スマートだから恐らく中は必要なカード類だけだと思う。お金なく期限ギリギリに払込する方は財布がヨレヨレ、ポイントカード類でパンパンに太っている、札と一緒にレシートが混ざって出てくるなど、お金に無頓着な方が多い」
といった鋭い指摘も。心当たりがある人は少なくないのではないか。

手持ちのカードの種類と枚数は把握しておくべきかもしれない。

※フォント赤色は小生による

小生も小売店のレジで現金を使うことは滅多にない。近場のディスカウントスーパーはポイントカードも何もない店なので、ここでは現金払い。だが、他の店で現金で支払う場面はなかなか思いつかない。コンビニではデビットカードで通じるし、月一の贅沢を味わうための喫茶店のモーニングはTカード(Tポイント)だけで支払っている。ここのホットサンドセットは630円であり、半額であるコーヒーのおかわり(=230円)も頼む。よって860円になるのだが、そのくらいのTポイントは、一ヶ月ほどネットをうろちょろしていれば貯まる。

ここで、オノレの財布を開いてみた。
・免許が2枚
・キャッシュカードが4枚
・ポイントカードが8枚
・病院の診察券が4枚
であった。その他、図書カードと電車の回数券。

免許は自動車運転免許と無線従事者免許証。キャッシュカードは割愛するが、そのうちの一枚はデビットカードを兼ねている。病院の診察券は割愛、そうすると残るはポイントカードである。

・WAON POINTカード(62)
・Tカード(566)
・ココカラファインのカード(265)
・近場の美容室の会員カード
・紀伊國屋のカード(18)
・nanacoカード(0)
・Pontaカード(183)
・Rポイントカード(1,506)

セブンイレブンもローソンも近くにはないので、下の3枚をレジで使ったことはない。「WAON POINTOカード」は近くに使える店があるため、使用頻度が高い。Tカードは上記の通り。ココカラファインというのは中小のドラッグストアが連合したチェーンのカードで、月に一回か二回、買い出しに行く。紀伊國屋はたまに街中に出たとき。

物品の購買で貯まっているのはWAON POINTと紀伊國屋のカード(全て)とTカードとココカラファインのカード(ともに一部)、PontaカードとRポイントカードはネットでのアクセス(クリックやアンケート、ゲーム)のみ。

ポイントが5倍だの10倍だのと宣伝しているけれども、T, P, Rの三つに関しては明らかに利用した金額以上のポイントをもらっている。……、結果として搾取しているんだろうなぁ。

非線形

  • 2017.02.24 Friday
  • 02:07
柔肌の 熱き血潮に 触れもみで 寂しからずや 道を説く君

「みだれ髪」に収められた、与謝野晶子の詩である。これを東大教養学部長が最近の記事で解釈している。これ


冒頭いきなり、
「字面の意味は説明するまでもなく明らかですし、そこにこめられた心理的な機微についても余計な解説は不要でしょう」
とあるのだが、これは東大の学内紙故に許される言い方であろう。同じような短歌を県営住宅の自治会でのたまったならば、「かっこつけ」「エリート気取り」と言われ、否、市議会(小生が居住している自治体)であっても文字なしで理解できる議員は半数もいないだろう。

ちょっとした、洒落。わからん奴にはわかってもらわなくていい、洒落。

戦時中の東京市には「米機撃つべし、英機撃つべし」という貼り紙が、何者かによって為されたという。真偽は明らかではなく、偽でも構わない。「英機(イギリス機)なんて飛んできていないじゃないか」と一笑に付す人が大半だったことと思われる。故に当時の特高も取り締まれなかったらしい。無論、時の総理大臣を指した言葉である。解釈するのは野暮というものである。

ここに存在する非線形という概念を、小生は高校へ上がったときと大学に上がったときの両方で見た。高校でも大学でも数学の講義は何を説明しているのかわけがわからなかったのである。高校の夏休み明けのテストは選択式の問題を一問正答しただけで、4点だかか5点だかといった点数だったように覚えている。学年の席次は600余数の中で600番ジャストであった。

(俺の前後にいた連中は、今、どこで何をしているのだろうか?)。

「フーリエ級数をもとに楽器音をいじる」なんてことをしているのは稀なはずである。この辺りは東大生や灘高生も同じだと思われる「灘高を出たのに関関同立?」。

この近辺で言うならば関関同立のどこかに合格すれば大きな評価を得られるのであるが、下手な学歴を持っているとそうではないことになる。実を言うと小生が入学した高校でのクラスの自己紹介のとき、皆が「どこそこの中学卒業です」と言っていたのだが、二人だけそれを言わなかった。近所の附属池田中学から系列の高校に上がれなかった二人だったことは後にわかった。

そうして今年、小生は46になる。無論、現状は十代や二十代の頃からは想像もできない姿だろうと思う「非線形」。だが、冒頭の与謝野晶子の詩は非線形な解釈を求めている。戦時中の貼り紙然り。

これからも非線形な生き方をするのだと思うが、されとて46年近い時間に伴った積分値は確定している。


さて。

アンバランス

  • 2017.02.03 Friday
  • 20:12
毎日新聞より:
セブン−イレブン:バイト病欠で「罰金」 女子高生から9350円 東京の加盟店

 コンビニエンスストア最大手、セブン−イレブンの東京都武蔵野市内の加盟店が、風邪で欠勤したアルバイトの女子高校生(16)から9350円の「罰金」を取っていたことが分かった。セブン−イレブン・ジャパンは「労働基準法違反に当たる」として、加盟店に返金を指導した。
 親会社セブン&アイ・ホールディングスの広報センターなどによると、女子生徒は1月後半に風邪のため2日間(計10時間)欠勤した。26日にアルバイト代を受け取った際、給与明細には25時間分の2万3375円が記載されていたが、15時間分の現金しか入っていなかった。手書きで「ペナルティ」「9350円」と書かれた付箋が、明細に貼られていた。
 店側は「休む代わりに働く人を探さなかったペナルティー」として、休んだ10時間分の9350円を差し引いたと保護者に説明したという。
 広報センターの担当者は毎日新聞の取材に「加盟店の法令に対する認識不足で申し訳ない」と話した。「労働者に対して減給の制裁を定める場合、減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が賃金総額の10分の1を超えてはならない」と定めた労基法91条(制裁規定の制限)に違反すると判断したという。

 厚生労働省労働基準局の担当者は「代わりの人間を見つけるのは加盟店オーナーの仕事」と話す。母親は「高校生にとっては大金。立場の弱いアルバイトが差し引かれ、せつない」と語った。【早川健人】


「ペナルティ9,350円」とは論外だが、コンビニオーナーほど持っている権利と背負わされている責任のバランスが取れていない職種はないのではないか。おにぎり一個の値段すら自分では決められない。それでいてバイトやパートを雇うのには労働基準法を守らなければならず、最低賃金も守らねばならない。雇用者が労働者の立場を守らねばならないのは当然なのだが、そういう人件費や商品の仕入れ価格、水道光熱費、宣伝費、個別の商品の売れ行き…これらを考慮して商品の店頭価格が決まる。コンビニの本部はこれらの諸要素をできるだけ勘案し、POSデータなども利用して販売する物品とその数、価格を決めているはずだが、全ての現場に適合させ得るのは限界があろう。

加えて、コンビニの本部は廃棄ロスよりも機会ロスの方を重要視している。「せっかく客が来たのに、客の需要を満たす商品が品切れだった。棚にはなかった」これが機会ロスである。確かに「コンビニエント(便利な)」という看板を掲げているのであるから、真夜中でも好みの飲食品が調達できるような営業状態を目指すのはわかる。そして、そういうサービスをできる限り多くの地域で展開したいという理念もわかる。しかし、そうであるならば本部は理念を流布するための経費として、現場(=フランチャイジー)に自由裁量で使える相当額の金銭を無条件で付与すべきではないのか。

千や万という単位で存在する加盟店にこのような「自由裁量で使える金銭」を付与するとなると、莫大な予算を必要とする。だが、それは利便性を要求する消費者に転嫁してでも確保すべきではないのか。たとえば真夜中に買い物や収納代行サービスの利用をした場合、一定割合の「便利料」を客に請求してもよい。これは嘗ての「特別地方消費税」に相当する。一回の飲食や宿泊が夫々7,500円、15,000円を超えた場合に適用されたもの。

真夜中にインスタントラーメンを買いに行く?昼間に買っておくか、それが無理なら周囲に頼んで用意しておけばいいだけである。こういうところには付加料金を請求してよい。

ネームバリュー

  • 2017.01.24 Tuesday
  • 22:25
東京新聞の社説(24日)より:
安倍首相答弁 野党批判の度が過ぎる

2017年1月24日

 国会という言論の府で一党の党首が他党を批判するのは当然だろう。しかし、安倍晋三自民党総裁の場合、度が過ぎはしないか。安倍氏は同時に行政府の長だ。野党批判にもおのずから限度がある。
 きのう衆院で始まった各党代表質問。冒頭、質問に立ったのは民進党の野田佳彦幹事長だった。
 現職首相と前職首相との「大将戦」である。野田氏が「大局的な視野から質問する」と述べたように、本来なら「国の在り方」をめぐる骨太の議論が期待されるところだ。しかし、後味の悪さが残ったのは、首相の野党批判と無縁ではなかろう。
 野田氏は成長重視の経済政策の行き詰まりを指摘し、二〇一七年度予算案について「メリハリに欠け、ニーズにも的確に対応した予算とは言えない」として、予算案を撤回して「人への投資」に重点的に予算配分することを提案した。
 これに対し、首相は、安倍内閣では旧民主党政権時代と比べて国と地方の税収が二十二兆円増加したことや、毎年一兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びを五千億円以下に抑えたことなどを列挙し、「私たちは言葉だけではなく、結果を出している」と強調した。
 保育士の処遇についても「民主党政権では三年三カ月、何も行わず給与はむしろ引き下げられた。安倍内閣は言葉を重ねるだけでなく結果で応えていく」と述べた。
 現衆院議員は任期四年の半分が過ぎ、年内の衆院解散の可能性が取り沙汰される政治状況だ。政権与党の党首が選挙に勝つために、野党第一党への批判に力を入れる意図は理解できなくもない。
 しかし、首相は政権与党の党首であると同時に、権力を行使する行政府の長でもある。立法府に対する行き過ぎた批判は、三権分立の大原則を逸脱しかねない。
 首相は先週の施政方針演説でも民進党を念頭に「ただ批判に明け暮れ、国会の中でプラカードを掲げても何も生まれない」と述べ、民進党は抗議した。
 自民党側も理解を示し、衆院議院運営委員会理事会では「行政府の長である首相が立法府を評価するのは適切ではない」と政府に伝えることを申し合わせた、という。当然である。
 首相はこれまでも国会の場で野党批判を繰り返してきた。安倍一強の「おごり」にほかならない。国会が批判合戦に明け暮れず、建設的な議論の場となるよう、首相には猛省を、野党側には奮起を促したい。


官邸のサイトから、「1月20日の所信表明」:
 まず冒頭、天皇陛下の御公務の負担軽減等について申し上げます。現在、有識者会議で検討を進めており、近々論点整理が行われる予定です。静かな環境の中で、国民的な理解の下に成案を得る考えであります。

一 はじめに

 昨年末、オバマ大統領と共に、真珠湾の地に立ち、先の大戦で犠牲となった全ての御霊(みたま)に、哀悼の誠を捧げました。
 我が国では、三百万余の同胞が失われました。数多(あまた)の若者たちが命を落とし、人々の暮らし、インフラ、産業はことごとく破壊されました。
 明治維新から七十年余り経った当時の日本は、見渡す限りの焼け野原。そこからの再スタートを余儀なくされました。
 しかし、先人たちは決して諦めなかった。廃墟と窮乏の中から敢然と立ち上がり、次の時代を切り拓きました。世界第三位の経済大国、世界に誇る自由で民主的な国を、未来を生きる世代のため創り上げてくれました。
 戦後七十年余り。今を生きる私たちもまた、立ち上がらなければならない。「戦後」の、その先の時代を拓くため、新しいスタートを切る時です。
 少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長、厳しさを増す安全保障環境。困難な課題に真正面から立ち向かい、未来を生きる世代のため、新しい国創りに挑戦する。今こそ、未来への責任を果たすべき時であります。
 私たちの子や孫、その先の未来、次なる七十年を見据えながら、皆さん、もう一度スタートラインに立って、共に、新しい国創りを進めていこうではありませんか。

二 世界の真ん中で輝く国創り

(日米同盟)
 かつて敵として熾烈に戦った日本と米国は、和解の力により、強い絆(きずな)で結ばれた同盟国となりました。
 世界では今なお争いが絶えません。憎しみの連鎖に多くの人々が苦しんでいます。その中で、日米両国には、寛容の大切さと和解の力を示し、世界の平和と繁栄のため共に力を尽くす責任があります。
 これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそが我が国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則です。できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟の絆(きずな)を更に強化する考えであります。
 先月、北部訓練場、四千ヘクタールの返還が、二十年越しで実現しました。沖縄県内の米軍施設の約二割、本土復帰後、最大の返還であります。地位協定についても、半世紀の時を経て初めて、軍属の扱いを見直す補足協定が実現しました。
 更に、学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にあり、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の全面返還を何としても成し遂げる。最高裁判所の判決に従い、名護市辺野古沖への移設工事を進めてまいります。
 かつて、「最低でも」と言ったことすら実現せず、失望だけが残りました。威勢のよい言葉だけを並べても、現実は一ミリも変わりません。必要なことは、実行です。結果を出すことであります。
 安倍内閣は、米国との信頼関係の下、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に、一つひとつ結果を出していく決意であります。

(地球儀を俯瞰(ふかん)する外交)
 本年は、様々な国のリーダーが交代し、大きな変化が予想されます。先の見えない時代において、最も大切なこと。それは、しっかりと軸を打ち立て、そして、ぶれないことであります。
 自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携する。
 ASEAN、豪州、インドといった諸国と手を携え、アジア、環太平洋地域から、インド洋に及ぶ、この地域の平和と繁栄を確固たるものとしてまいります。
 自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた、二十一世紀型の経済体制を構築する。
 TPP協定の合意は、そのスタンダードであり、今後の経済連携の礎となるものであります。日EU・EPAのできる限り早期の合意を目指すとともに、RCEPなどの枠組みが野心的な協定となるよう交渉をリードし、自由で公正な経済圏を世界へと広げます。
 継続こそ力。就任から五年目を迎え、G7諸国のリーダーの中でも在職期間が長くなります。五百回以上の首脳会談の積み重ねの上に、地球儀を大きく俯瞰(ふかん)しながら、ダイナミックな平和外交、経済外交を展開し、世界の真ん中でその責任を果たしてまいります。

(近隣諸国との関係改善)
 日本海から東シナ海、南シナ海に至る地域では緊張が高まり、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。地域の平和と安定のため、近隣諸国との関係改善を積極的に進めてまいります。
 ロシアとの関係改善は、北東アジアの安全保障上も極めて重要です。しかし、戦後七十年以上経っても平和条約が締結されていない、異常な状況にあります。
 先月、訪日したプーチン大統領と、問題解決への真摯な決意を共有しました。元島民の皆さんの故郷(ふるさと)への自由な訪問やお墓参り、北方四島全てにおける「特別な制度」の下での共同経済活動について、交渉開始で合意し、新たなアプローチの下、平和条約の締結に向けて重要な一歩を踏み出しました。
 この機運に弾みをつけるため、本年の早い時期にロシアを訪問します。七十年以上動かなかった領土問題の解決は容易なことではありませんが、高齢である島民の皆さんの切実な思いを胸に刻み、平和条約締結に向け、一歩でも、二歩でも、着実に前進していきます。
 本年、日中韓サミットを我が国で開催し、経済、環境、防災など幅広い分野で、地域レベルの協力を強化します。
 韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新しい時代の協力関係を深化させてまいります。
 中国の平和的発展を歓迎します。地域の平和と繁栄に大きな責任を有することを、共に自覚し、本年の日中国交正常化四十五周年、来年の日中平和友好条約締結四十周年という節目を迎える、この機を捉え、「戦略的互恵関係」の原則の下、大局的な観点から、共に努力を重ね、関係改善を進めます。
 北朝鮮が昨年、二度にわたる核実験、二十発以上の弾道ミサイル発射を強行したことは、断じて容認できません。安保理決議に基づく制裁に加え、関係国と協調し、我が国独自の措置も実施しました。「対話と圧力」、「行動対行動」の一貫した方針の下、核、ミサイル、そして引き続き最重要課題であり、発生から長い年月が経つ拉致問題の包括的な解決に向け、北朝鮮が具体的な行動を取るよう強く求めます。

(積極的平和主義)
 真新しい国旗を手に、誇らしげに入場行進する選手たち。
 南スーダン独立後、初めての全国スポーツ大会には、異なる地域から、異なる民族の選手たちが一堂に会しました。
 その会場の一つとなる、穴だらけだったグラウンドに、一千個を超えるコンクリートブロックを、一つひとつ手作業で埋め込んだのは、日本の自衛隊員たちです。
 最終日、サッカー決勝は、奇(く)しくも、政治的に対立する民族同士の戦い。しかし、選手も、観客も、フェアプレーを貫きました。終了後には、勝利した側の選手が、負けた側の選手の肩を抱き、互いの健闘を称(たた)えあう光景が、そこにはありました。
 幼い息子さんを連れて観戦に来ていたジュバ市民の一人は、その姿に感動し、こう語っています。
 「毎日、スポーツが行われるような平和な国になってほしい。」
 隊員たちが造ったのは、単なるグラウンドではありません。平和を生み出すグラウンドであります。自衛隊の活動一つひとつが、間違いなく、南スーダンの自立と平和な国創りにつながっている。
 灼熱(しゃくねつ)のアデン湾では、今この時も、海賊対処に当たる隊員諸君がいます。三千八百隻を上回る世界の船舶を護衛してきました。
 平和のため黙々と汗を流す自衛隊の姿を、世界が称賛し、感謝し、頼りにしています。与えられた任務を全力で全うする彼らは、日本国民の誇りであります。
 テロ、難民、貧困、感染症。世界的な課題は深刻さを増しています。こうした現実から、我が国だけが目を背けるようなことは、あってはなりません。今こそ、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄のため、皆さん、能(あた)う限りの貢献をしていこうではありませんか。

三 力強く成長し続ける国創り

(「壁」への挑戦)
 昨年、大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞し、三年連続で日本人がノーベル賞を獲得。世界の真ん中で輝く姿に、「やれば、できる」。日本全体が、大きな自信と勇気をもらいました。
 「未来は『予言』できない。しかし、『創る』ことはできる。」
 ノーベル賞物理学者、デニス・ガボールの言葉です。
 五年前、日本には、根拠なき「未来の予言」があふれていました。「人口が減少する日本は、もう成長できない」、「日本は、黄昏(たそがれ)を迎えている」。不安を煽る悲観論が蔓延していました。
 まさにデフレマインド、「諦め」という名の「壁」が立ちはだかり、政権交代後も、「アベノミクスで成長なんかできない」。私たちの経済政策には、批判ばかりでありました。
 しかし、日本はまだまだ成長できる。その「未来を創る」ため、安倍内閣は、この四年間、三本の矢を放ち、「壁」への挑戦を続けてきました。
 その結果、名目GDPは四十四兆円増加。九%成長しました。中小・小規模事業者の倒産は二十六年ぶりの低水準となり、政権交代前と比べ三割減らすことに成功しました。
 長らく言葉すら忘れられていた「ベースアップ」が三年連続で実現しました。史上初めて、四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えました。全国津々浦々で、確実に「経済の好循環」が生まれています。
 格差を示す指標である相対的貧困率が足元で減少しています。特に子どもの相対的貧困率は二%減少し、七・九%。十五年前の調査開始以来一貫して増加していましたが、安倍内閣の下、初めて減少に転じました。
 「出来ない」と思われていたことが次々と実現できた。かつての悲観論は完全に間違っていた。そのことを、私たち自公政権は証明しました。
 この「経済の好循環」を更に前に進めていく。今後も、安定した政治基盤の下、力を合わせ、私たちの前に立ちはだかる「壁」を、次々と打ち破っていこうではありませんか。

(中小・小規模事業者への好循環)
 景気回復の風を、更に、全国津々浦々、中小・小規模事業者の皆さんにお届けする。
 先月、五十年ぶりに、下請代金の支払いについて通達を見直しました。これまで下請事業者の資金繰りを苦しめてきた手形払いの慣行を断ち切り、現金払いを原則とします。近年の下請けいじめの実態を踏まえ、下請法の運用基準を十三年ぶりに抜本改定しました。今後、厳格に運用し、下請取引の条件改善を進めます。
 四月から、成長の果実を活かし、雇用保険料率を引き下げます。これにより、中小・小規模事業者の負担を軽減し、働く皆さんの手取りアップを実現します。更に、賃上げに積極的な事業者を、税額控除の拡充により後押しします。
 生産性向上のため、今後二年間の設備投資には、固定資産税を三年間半減する。この仕組みを、製造業だけでなく、小売・サービス業にも拡大することで、商店街などにおいても攻めの投資を促します。

(地方創生)
 一日平均、二十人。人影が消え、シャッター通りとなった岡山の味野(あじの)商店街は、その「壁」に挑戦しました。
 地場の繊維産業を核に、商店街、自治体、商工会議所が一体で、「児島ジーンズストリート」を立ち上げました。三十店を超えるジーンズ店が軒を並べ、ジーンズ柄で構内がラッピングされた駅からは、ジーンズバスやジーンズタクシーが走ります。
 まさに「ジーンズの聖地」。今や、年間十五万人を超える観光客が集まる商店街へ生まれ変わりました。評判は海外にも広がり、アジアからの外国人観光客も増えています。
 地方には、それぞれの魅力、観光資源、ふるさと名物があります。それを最大限活かすことで、過疎化という「壁」も必ずや打ち破ることができるはずです。
 自分たちの未来を、自らの創意工夫と努力で切り拓く。地方の意欲的なチャレンジを、自由度の高い「地方創生交付金」によって、後押しします。
 地方の発意による、地方のための分権改革を進めます。空き家や遊休地の活用に関する制限を緩和し、自治体による有効利用を可能とします。
 故郷(ふるさと)への情熱を持って、地方創生にチャレンジする。そうした地方の皆さんを、安倍内閣は、全力で応援します。

(観光立国)
 一千万人の「壁」。政権交代前、外国人観光客は、年間八百万人余りで頭打ちとなっていました。
 安倍内閣は、その「壁」を、僅か一年で突破しました。四年連続で過去最高を更新し、昨年は、三倍の二千四百万人を超えました。
 日本を訪れる外国クルーズ船は、僅か三年で四倍に増加。秋田港で竿燈(かんとう)まつり、青森港でねぶた祭、徳島小松島港で阿波おどり、各地自慢の祭りを巡る外国のクルーズツアーが企画されるなど、地方に大きなチャンスが生まれています。
 民間資金を活用し、国際クルーズ拠点の整備を加速します。港湾法を改正し、投資を行う事業者に、岸壁の優先使用などを認める新しい仕組みを創設します。
 沖縄はアジアとの架け橋。我が国の観光や物流のゲートウェイです。新石垣空港では、昨年、香港からの定期便の運航が始まり、外国人観光客の増加に沸いています。機材の大型化に対応するための施設整備を支援します。
 全国の地方空港で、国際定期便の就航を支援するため、着陸料の割引、入国管理等のインフラ整備を行います。羽田、成田両空港の二〇二〇年四万回の容量拡大に向け、羽田空港では新しい国際線ターミナルビルの建設に着手します。
 いわゆる「民泊」の成長を促すため、規制を改革します。衛生管理などを条件に、旅館業法の適用を除外することで、民泊サービスの拡大を図ります。
 あらゆる政策を総動員して、次なる四千万人の高みを目指し、観光立国を推し進めてまいります。

(農政新時代)
 地方経済の核である農業では、高齢化という「壁」が立ちはだかってきました。平均年齢は六十六歳を超えています。
 しかし、攻めの農政の下、四十代以下の新規就農者は二年連続で増加し、足元では、統計開始以来最多の二万三千人を超えました。生産農業所得も、直近で年間三兆三千億円、過去十一年で最も高い水準まで伸びています。
 更なる弾みをつけるため、八本に及ぶ農政改革関連法案を、今国会に提出し、改革を一気に加速します。
 農業版の「競争力強化法」を制定します。肥料や飼料を一円でも安く仕入れ、農産物を一円でも高く買ってもらう。そうした農家の皆さんの努力を後押しするため、生産資材や流通の分野で、事業再編、新規参入を促します。委託販売から買取販売への転換など、農家のための全農改革を進めます。数値目標の達成状況を始め、その進捗をしっかりと管理してまいります。
 牛乳や乳製品の流通を、事実上、農協経由に限定している現行の補給金制度を抜本的に見直し、生産者の自由な経営を可能とします。
 農地バンクの下、農地の大規模化を進めます。世界のマーケットを目指し、生産行程や流通管理の規格化、JETROの世界ネットワークを活用したブランド化を展開し、競争力を強化します。
 農政改革を同時並行で一気呵(か)成に進め、若者が農林水産業に自分たちの夢や未来を託することができる「農政新時代」を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。

(イノベーションを生み出す規制改革)
 チャレンジを阻む、あらゆる「壁」を打ち破ります。イノベーションを次々と生み出すための、研究開発投資、そして規制改革。安倍内閣は、三本目の矢を、次々と打ち続けます。
 医療情報について、匿名化を前提に利用可能とする新しい仕組みを創設します。ビッグデータを活用し、世界に先駆けた、新しい創薬や治療法の開発を加速します。
 人工知能を活用した自動運転。その未来に向かって、本年、各地で実証実験が計画されています。国家戦略特区などを活用して、自動運転の早期実用化に向けた民間の挑戦を後押しします。
 民間の視点に立った行政改革も進めます。長年手つかずであった各種の政府統計について、一体的かつ抜本的な改革を行います。
 本年四月からガスの小売りを完全に自由化します。昨年の電力自由化と併せ、多様なサービスのダイナミックな展開と、エネルギーコストの低廉化を実現します。
 水素エネルギーは、エネルギー安全保障と温暖化対策の切り札です。これまでの規制改革により、ここ日本で、未来の水素社会がいよいよ幕を開けます。三月、東京で、世界で初めて、大容量の燃料電池を備えたバスが運行を始めます。来年春には、全国で百か所の水素ステーションが整備され、神戸で水素発電による世界初の電力供給が行われます。
 二〇二〇年には、現在の四十倍、四万台規模で燃料電池自動車の普及を目指します。世界初の液化水素船による大量水素輸送にも挑戦します。生産から輸送、消費まで、世界に先駆け、国際的な水素サプライチェーンを構築します。その目標の下に、各省庁にまたがる様々な規制を全て洗い出し、改革を進めます。

四 安全・安心の国創り

(被災地の復興)
 再生可能エネルギーから大規模に水素を製造する。最先端の実証プロジェクトが、福島で動き出しました。
 南相馬では、町工場の若い後継者たちが力を合わせ、災害時に水中調査を行うロボットを開発しました。その一人、金型工場の二代目、渡邉光貴(こうき)さんが、強い決意を私に語ってくれました。
 「南相馬が『ロボットの町』と言われるよう、若い力で頑張る。」
 原発事故により大きな被害を受けた浜通り地域は、今、世界最先端の技術が生まれる場所になろうとしています。
 福島復興特措法を改正し、イノベーション・コースト構想を推し進めます。官民合同チームの体制を強化し、生業(なりわい)の復興を加速します。
 今年度中に、帰還困難区域を除き、除染が完了します。廃炉、賠償等を安定的に実施することと併せ、二〇二〇年には身近な場所から仮置き場をなくせるよう、中間貯蔵施設の建設を急ぎます。帰還困難区域でも、復興拠点を設け、五年を目途に避難指示解除を目指し、国の負担により除染やインフラ整備を一体的に進めます。
 東北三県では、来年春までに、九十五%を超える災害公営住宅が完成し、高台移転も九割で工事が完了する見込みです。農業、水産業、観光業など、生業(なりわい)の復興を力強く支援します。
 熊本地震以来通行止めとなっていた、俵山トンネルを含む熊本高森線が先月開通し、日本が誇る観光地・阿蘇へのアクセスが大きく改善しました。今後、熊本空港ターミナルビルの再建、更には「復興のシンボル」である熊本城天守閣の早期復旧を、国として全力で支援してまいります。

(国土の強靱(じん)化)
 昨年の台風十号では、岩手の岩泉町で、避難が遅れ、九名の高齢者の方々が川の氾濫の犠牲となりました。現場に足を運び、御冥福をお祈りするとともに、再発防止への決意を新たにしました。
 水防法を抜本的に改正します。介護施設、学校、病院など避難に配慮が必要な方々がいらっしゃる施設では、避難計画の作成、訓練の実施を義務化します。中小河川も含め、地域住民に水災リスクが確実に周知されるようにします。
 治水対策の他、水害や土砂災害への備え、最先端技術を活用した老朽インフラの維持管理など、事前防災・減災対策に徹底して取り組み、国土強靱(じん)化を進めます。

(生活の安心)
 糸魚川の大規模火災で被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い生活再建、事業再開に向け、国も全力で支援してまいります。
 お年寄りなどを狙った悪質業者が後を絶ちません。被害者の救済を消費者団体が代わって求める新しい訴訟制度が、昨年スタートしました。これを国民生活センターがバックアップする仕組みを整え、より迅速な救済を目指します。
 三年後に迫ったオリンピック・パラリンピックを必ず成功させる。サイバーセキュリティ対策、テロなど組織犯罪への対策を強化します。受動喫煙対策の徹底、ユニバーサルデザインの推進、多様な食文化への対応など、この機を活かし、誰もが共生できる街づくりを進めます。
 昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。

五 一億総活躍の国創り

 障害や難病のある方も、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる社会を創る。
 一億総活躍の「未来」を切り拓くことができれば、少子高齢化という課題も必ずや克服できるはずです。
 しかし、家庭環境や事情は、人それぞれ異なります。何かをやりたいと願っても、画一的な労働制度、保育や介護との両立など様々な「壁」が立ちはだかります。こうした「壁」を一つひとつ取り除く。これが、一億総活躍の国創りであります。

(働き方改革)
 最大のチャレンジは、一人ひとりの事情に応じた、多様で柔軟な働き方を可能とする、労働制度の大胆な改革。働き方改革です。
 アベノミクスによって、有効求人倍率は、現在、二十五年ぶりの高い水準。この三年間ずっと一倍を上回っています。正規雇用も一昨年増加に転じ、二十四か月連続で前年を上回る勢いです。雇用環境が改善する中、民間企業でも、定年延長や定年後も給与水準を維持するなど、前向きな動きが生まれています。
 雇用情勢が好転している今こそ、働き方改革を一気に進める大きなチャンスです。三月に実行計画を決定し、改革を加速します。
 同一労働同一賃金を実現します。昇給の扱いが違う、通勤などの各種手当が支給されない、福利厚生や研修において扱いが異なるなど、不合理な待遇差を個別具体的に是正するため、詳細なガイドライン案を策定しました。今後、その根拠となる法改正について、早期の国会提出を目指し、立案作業を進めます。
 一年余り前、入社一年目の女性が、長時間労働による過酷な状況の中、自ら命を絶ちました。御冥福を改めてお祈りするとともに、二度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で、長時間労働の是正に取り組みます。いわゆる三六協定でも超えることができない、罰則付きの時間外労働の限度を定める法改正に向けて、作業を加速します。
 抽象的なスローガンを叫ぶだけでは、世の中は変わりません。重要なことは、何が不合理な待遇差なのか、時間外労働の限度は何時間なのか、具体的に定めることです。言葉だけのパフォーマンスではなく、しっかりと結果を生み出す働き方改革を、皆さん、共に、進めていこうではありませんか。

(女性の活躍)
 「人は、幾つからでも、どんな状況からでも、再出発できる。」
 十六年間子育てに専念した後、リカレント教育を受け、再就職を果たした、島千佳さんの言葉です。役職にも就き、仕事に大変やりがいを感じているそうです。島さんは、笑顔で、私にこう語ってくれました。
 「子育ての経験をしたからこそ、今の職場で活かせることがたくさんある。」
 子育てや介護など多様な経験を持つ人たちの存在は、企業にとって大きなメリットを生み出すはずです。
 「百三万円の壁」を打ち破ります。パートで働く皆さんが、就業調整を意識せずに働くことができるよう、配偶者特別控除の収入制限を大幅に引き上げます。
 出産などを機に離職した皆さんの再就職、学び直しへの支援を抜本的に拡充します。復職に積極的な企業を支援する助成金を創設します。雇用保険法を改正し、教育訓練給付の給付率、上限額を引き上げます。子どもを託児所に預けながら職業訓練が受けられる、また、土日・夜間にも必要な講座を受講できるなど、きめ細かく、再就職支援の充実を図ります。

(成長と分配の好循環)
 保育や介護と、仕事の両立を図る。
 子育てを理由に仕事を辞めずに済むよう、育休給付の支給期間を最大二歳まで延長します。地方と連携し、子育て世帯に対する住宅ローン金利を引き下げ、三世代の近居や同居を支援します。
 「待機児童ゼロ」、「介護離職ゼロ」。その大きな目標に向かって、保育、介護の受け皿整備を加速します。国家戦略特区で実施してきた都市公園に保育園や介護施設の建設を認める規制緩和を全国展開します。
 人材を確保するため、来年度予算でも処遇改善に取り組みます。介護職員の皆さんには、経験などに応じて昇給する仕組みを創り、月額平均一万円相当の改善を行います。保育士の方々には、概ね経験三年以上で月五千円、七年以上で月四万円の加算を行います。
 加えて、全ての保育士の皆さんに二%の処遇改善を実施します。これにより、政権交代後、合計で十%の改善が実現いたします。他方で、あの三年三か月、保育士の方々の処遇は、改善するどころか、引き下げられていた。重要なことは、言葉を重ねることではありません。責任を持って財源を確保し、結果を出すことであります。安倍内閣は、言葉ではなく結果で、国民の負託に応えてまいります。
 年金受給資格期間を二十五年から十年に短縮します。消費税率引上げを延期した中でも、十月から、新しく六十四万人の方々に年金支給を開始します。自治体による国保の安定的な運営のため財政支援を拡充します。最低賃金が大きく上昇を続ける中、失業給付について、若い世代への支給期間を延長するなど改善を実施します。
 来年度予算では、政権交代前と比べ、国の税収は十五兆円増加し、新規の公債発行額は十兆円減らすことができました。こうしたアベノミクスの果実も活かし、「成長と分配の好循環」を創り上げてまいります。
 同時に、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するため、改革の手も決して緩めません。
 薬価制度の抜本改革を断行します。二年に一回の薬価改定を毎年実施することとし、国民負担の軽減と医療の質の向上の両立を図ります。医療保険で、高齢者の皆さんが現役世代より優遇される特例に関し、一定の所得がある方については見直しを実施します。
 累次の改革が実を結び、かつて毎年一兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びは、今年度予算に続き来年度予算においても、五千億円以下に抑えることができました。引き続き、経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを同時に実現しながら、一億総活躍の未来を切り拓いてまいります。

六 子どもたちが夢に向かって頑張れる国創り

(個性を大切にする教育再生)
 我が国の未来。それは、子どもたちであります。
 子どもたち一人ひとりの個性を大切にする教育再生を進めます。
 先般成立した教育機会確保法を踏まえ、フリースクールの子どもたちへの支援を拡充し、いじめや発達障害など様々な事情で不登校となっている子どもたちが、自信を持って学んでいける環境を整えます。
 実践的な職業教育を行う専門職大学を創設します。選択肢を広げることで、これまでの単線的、画一的な教育制度を変革します。

(誰にでもチャンスのある教育)
 「邑(むら)に不学の戸なく、家に不学の人なからしめん」
 明治日本が、学制を定め、国民教育の理想を掲げたのは、今から百四十年余り前のことでした。
 それから七十年余り。日本国憲法が普通教育の無償化を定め、小・中学校九年間の義務教育制度がスタートしました。
 本年は、その憲法施行から七十年の節目であります。
 この七十年間、経済も、社会も、大きく変化しました。子どもたちがそれぞれの夢を追いかけるためには、高等教育もまた、全ての国民に真に開かれたものでなければなりません。学制の序文には、こう記されています。
 「学問は身を立(たつ)るの財本(もとで)ともいふべきもの」
 どんなに貧しい家庭で育っても、夢を叶(かな)えることができる。そのためには、誰もが希望すれば、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければなりません。
 高校生への奨学給付金を更に拡充します。本年春から、その成績にかかわらず、必要とする全ての学生が、無利子の奨学金を受けられるようにします。返還についても卒業後の所得に応じて変える制度を導入することで、負担を軽減します。
 更に、返還不要、給付型の奨学金制度を、新しく創設いたします。本年から、児童養護施設や里親の下で育った子どもたちなど、経済的に特に厳しい学生を対象に、先行的にスタートします。来年以降、一学年二万人規模で、月二万円から四万円の奨学金を給付します。
 幼児教育についても、所得の低い世帯では、第三子以降に加え、第二子も無償とするなど、無償化の範囲を更に拡大します。
 全ての子どもたちが、家庭の経済事情にかかわらず、未来に希望を持ち、それぞれの夢に向かって頑張ることができる。そうした日本の未来を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。

七 おわりに

 子や孫のため、未来を拓く。
 土佐湾でハマグリの養殖を始めたのは、江戸時代、土佐藩の重臣、野中兼山(けんざん)だったと言われています。こうした言い伝えがあります。
「美味しいハマグリを、江戸から、土産に持ち帰る。」
 兼山(けんざん)の知らせを受け、港では大勢の人が待ち構えていました。しかし、到着するや否や、兼山(けんざん)は、船いっぱいのハマグリを全部海に投げ入れてしまった。ハマグリを口にできず、文句を言う人たちを前に、兼山(けんざん)はこう語ったと言います。
 「このハマグリは、末代までの土産である。子たち、孫たちにも、味わってもらいたい。」
 兼山(けんざん)のハマグリは、土佐の海に定着しました。そして三百五十年の時を経た今も、高知の人々に大きな恵みをもたらしている。
 まさに「未来を拓く」行動でありました。
 未来は変えられる。全ては、私たちの行動にかかっています。
 ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても、何も生まれません。意見の違いはあっても、真摯かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこうではありませんか。
 自らの未来を、自らの手で切り拓く。その気概が、今こそ、求められています。
 憲法施行七十年の節目に当たり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる七十年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか。
 未来を拓く。これは、国民の負託を受け、この議場にいる、全ての国会議員の責任であります。
 世界の真ん中で輝く日本を、一億総活躍の日本を、そして子どもたちの誰もが夢に向かって頑張ることができる、そういう日本の未来を、共に、ここから、切り拓いていこうではありませんか。
 御清聴ありがとうございました。

※フォント赤色は小生による

2007年の参院選、既に十年前のことになるにもかかわらず、未だにトラウマになっているらしい。仮に言及するとしても末尾に付言するようなことをアタマに持ってきたことが、それを現している。
そして、サミットの括りにまで使った「アベノミクス」なる言葉の使用頻度が激減している。半年前に「エンジンを最大限に吹かす」と言ったのであるから、その戦果報告があって然るべきである。

倒産件数の減少も主張しているが、これは自殺件数の減少と同じである。人は一回しか自殺できないのと同様、企業も基本的に一回しか倒産できない。経済成長の成果とは言えない。

「堀江貴文の側にカネがなかったら」と思うことがある。居住地を固定せずにホテル暮らしらしいが、多くを恨みを買っているがために固定できないのが本当のところだろう。安倍晋三も似たようなもの。「総理大臣」という肩書きを聞かされれば、大抵の人は後ずさりする。だが、この人物から「総理」「政治家」という肩書きを外した場合、どれだけの人が崇拝するのか。

名前や肩書きで判断するのは楽である。前科持ちの中卒、今の日本でこれより下はない。
「行伝-Ko-den-」、どれだけのネームバリューがあるのだろうか。

アベはどこまでアホなのか

  • 2017.01.12 Thursday
  • 17:46
昨年に続いて、散らし初め:
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さて。

毎日新聞より:
「教育無償化」も…安倍首相が例示

自・維が協議開始へ

 安倍晋三首相が昨年10月、自民党の保岡興治憲法改正推進本部長と会談した際、日本維新の会の憲法改正原案に盛り込まれた「教育無償化」を改憲項目として例示していたことが分かった。複数の両党関係者が明らかにした。自民党はその後、改憲議論のテーマとして明記。教育無償化は野党や国民の賛同も得やすいとの思惑があるとみられる。20日召集の通常国会以降、本格化する改憲項目絞り込みの焦点の一つになりそうだ。

 関係者によると、首相は会談で改憲項目案の一つとして教育無償化に言及。保岡氏に…

「…」以下は有料記事

……、アホかいな。

第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。


article 26.
Aall people shall have the right to receive an equal education correspondent to their ability, as provided by law.
All people shall be obligated to have all boys and girls under their protection receive ordinary education as provided for by law. such compulsory education shall be free.


国立大学の一年間の学費が50万円もするのである、明らかに第一項に抵触しているではないか。センター試験と二次試験を受験するだけでそれぞれ数万円がかかる。

携帯電話の料金に口出しする前に、法整備をちゃんとせんかいな!

それでもって、東京新聞から:
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都合の悪い人間は次々と逮捕、勾留され、更に嫌われるとムショ送り。

そうそう思い通りになるものか

  • 2016.12.05 Monday
  • 14:13
過日、小生の生活様式に対して「徹底した断捨離ですね」と言われた。「いや、ウチにはモノは多いはずだが」と思ったが、靴は一足しかないし(最後に履いたのがいつか忘れたくらい。少なくとも今年はまだ靴を履いていない)、衣類も僅少。他方、……となる。一人暮らしの場合、必要なものか好きなものしかないのが普通ではなかろうか。使えなくなったり興味がなくなったりすると処分する、それだけである。

さて。



カジノ法案の性急過ぎる成立は、憲法改○のための取引を維新としたからだろう。毎日、朝日、読売、産経は3日の社説で、日経は4日の社説でカジノ法案について書いたが、主要紙がここまで足並みを揃えたのは「新銀行東京は諦めよ」以来ではなかろうか。

このTweetで紹介されていることの他にも、アベの空振りは幾つもある。

都知事選でしくじった。自民党候補が不利だと見るや応援演説を取りやめた。自分が応援に入って負けたとなればダメージが大きい、不戦敗である。北方領土もうまくいっていない。プーチン大統領を「ウラジーミル」と呼んで親密さをアピールしているが、国境線の変更には戦争レベルのイベントが必要であることは歴史が証明している。どれだけ「択捉島までが日本の領土」と言ったところで、相手が「そうですね」と応じるはずもない。これはどこの国の領土問題でも同じこと。非武装地帯にするという提案があるが、それもあくまでもロシアの領土としてである。

拉致問題については、全くやる気なし。景気回復についても、最近は本人がアベノミクスと言わなくなった。年金カット法案についても押し切ったが、これは前回「消えた年金」で辞任に追い込まれたトラウマ。反対意見に全く耳を貸さず、「理解が足りない」の一本やり。本当に足りていないのは本人のアタマ。よって、痛いところを突かれると感情を剥き出しにして「民主党政権は何もできなかったではないか!」。

……、「悪政を為すくらいなら、無政の方がまだいいんだよ」。論議の上で妥協点を見出せずに具体的な結果を出せなかったとしても、それは民主制が想定している一つの姿。

メディア統制も崩れ始めた。新聞とテレビに圧力をかけ、NHKには経営委員を変えてまで意中の人物を送り込んだ。だが、籾井勝人は実質上、クビになった。TPPその他の失敗はもちろん大きいが、一番のダメージはここだろうと小生は見ている。憲法改○への途半ばで、アンダーコントロールとしていた公共放送を手離すのは相当な痛手である。籾井勝人解任を黙って見ていたはずはなく、いろいろと裏で策を講じていたはずなのである。表面化しなかっただけで、これは大敗北である。もちろん、民放各局や新聞社その他のメディアもこれを見抜いていないわけがない。そうすると、第四の権力が機能を回復する。前回、お粥しか食べられなくなって職責を放り出すに至ったのは、第四の権力からの追及に耐えられなかったからである。そうであるが故、官房長官に菅を据え、就任早々からメディア統制を行った。それがここへきて破綻した。

昨夜のNスペは「戦艦武蔵の最期」であった。沈没直前に内部の砲弾と砲弾を射出するための火薬が爆発したのだろうという新説だった。自民党総裁選挙で野田聖子を力づくで抑え込んだアベ、自民党内部に相当な反乱分子が存在していることを知っている。

自民党の内規を変更してオリンピックまで首相であり続けようとしたようだが、夢想に終わる模様。

「それでも十分、『日本史上最もアホだった総理』として歴史に名を残すことはできるよ」、アベくんへ。

有能な者は疎まれる(自民党では)。

  • 2016.11.17 Thursday
  • 22:32
朝日新聞デジタルより:
自民、政治男女均等法案に異論続出 「有能なら自力で」
藤原慎一、松井望美2016年11月16日21時37分

 自民党は16日の党の部会合同会議で、国会や地方議会の男女の候補者数を政党ができる限り「均等」にするよう努力を求める「政治分野における男女共同参画推進法案」について議論した。慎重派議員から異論が噴出。今国会での提出に向けた党内手続きはいきなりつまずいた。
 会議では、西田昌司参院議員が女性の社会進出が少子化を加速させているとの考えを背景に、「女性の社会進出で、社会全体が豊かになっているとは思えない。もっと根本的な議論をしてほしい」と主張。山谷えり子参院議員も「法律をつくることで、かえって男女の対立が生じてしまうのでは」として、時間をかけた議論を求めた。
 ほかにも「能力のある人は自力ではい上がる」「政党が自ら努力する話」などと立法化することへの疑問も相次ぎ、党内議論はやり直しになった。野田聖子元総務会長らが法案の旗を振るが、推進派議員の一人は「これが今の自民党の限界」と漏らすなど、慎重派の説得にはなお時間がかかる可能性もある。
 自民の推進派は、党内で了承を取り付けたうえで今国会に法案を提出し、男女の候補者数について「同数」を求める民進や共産などと修正協議を行う段取りを描いていた。このまま自民の党内手続きが止まったままになれば、安倍政権が掲げる「女性活躍」は看板倒れとの批判を招きそうだ。
 一方、民進の部門会議では、自民の手続きが不調に終わったことが報告された。党内では、「均等」の表現になっても法案成立を優先させるべきだとの声が強まっているが、民進は当面、自民の動向を見極める構えだ。蓮舫代表は記者団に「(自民内での)反対の意味がわからない。私たちと違う考え方をお持ちの伝統的な政党だ」と批判した。(藤原慎一、松井望美)

※フォント赤色は小生による

では尋ねる:
「アベやアソー、イシハラその他多くの政治屋(特に自民党)は、オノレの能力で現在の地位のいるのか?」。

韓国の学歴主義が批判されて久しい。これは教育社会学で「後発効果」と呼ばれる現象である。出自を問わず、本人の実力のみで判断するという近世になって確立された考え方を適用すると、試験が全てになる。福澤諭吉は「学問のすゝめ」で「天は人の上に、人の下に」と尤もらしいことを宣ったが、自分の娘の結婚相手には武家であることを要求した。また、日清戦争についても「悪友と手を切る」として熱烈に支持していた。脱亜入欧論。

女性の有能さを認識しているからこそ、法での保障に及び腰なのだ。そして、遅々として進まぬ天皇の生前譲位。有識者会議が設置されたが、面子からして終わっている:

石原信雄(元内閣官房副長官)
今谷明(帝京大特任教授)
岩井克己(ジャーナリスト)
大石眞(京都大大学院教授)
大原康男(国学院大名誉教授)
笠原英彦(慶応大教授)
櫻井よしこ(ジャーナリスト)
園部逸夫(元最高裁判事)
高橋和之(東大名誉教授)
所功(京都産業大名誉教授)
平川祐弘(東大名誉教授)
古川隆久(日大教授)
保阪正康(ノンフィクション作家)
百地章(国士舘大大学院客員教授)
八木秀次(麗沢大教授)
渡部昇一(上智大名誉教授)


この面子で会合を行ったとすれば、結果は自ずから明らかとなる。最近、メディアで「官邸の意向」という言葉を見なくなった。一緒にメシを食っている人間に「それを書くと、メシに誘わないぞ」か。

 天皇は万世一系で続いている。人間個人としては亡くなられても民族や国民にとっては永世の象徴だ。陛下は(被災地など)外に出かけられ大変ありがたいが、肉体的、精神的につらく、ご自身が定義した役割を果たせないから退位したいというお考えはおかしい。「民安かれ」と祈っていただければよい。
 (おことばは)憲法違反に限りなく近く、負担軽減のため摂政を置けばいい。世論は天皇がお疲れだと同情するが、その先のことを考えていない。


これは会議後の平川祐弘のコメントである。天皇は万世一系?こういう考えの持ち主が「有識者」に含まれるのか?単なる「アベ識者・支持者」に過ぎない。アベに集められた面子だから、当たり前といえば当たり前である。

この件については特別立法で対応しようとするような動きがある。これは明らかに憲法違反である。

皇位は世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。(日本国憲法第二条)

素直に読めば、皇位の継承は皇室典範でしか規定できないことになる。特別立法での規定は無効である。だが、アベは昭和初期の天皇制を目指しているので、皇室典範を変更するような主張をするであろう人物はあらかじめ排除して「有識者」を集めた。

NHKの経営委員会と同じである。これらはアベが崩れれば総崩れになる。よって、攻撃点も明確である。現在は個々人がWebで情報発信できる。マスではないメディア(媒体)でも束になればマスを超える。

女性の社会進出にせよ天皇の生前譲位にせよ、立場に関係なく声を挙げ続けるべきであり、それこそがあのバカを首相の座から引き下ろす確実な手法である。

ことば

  • 2016.11.12 Saturday
  • 19:00
空気清浄機のフィルタを交換してみた:
空気清浄機フィルタ.jpg

言わずもがな、右が6年近く使ったもの。郊外で且つ、煙草は吸わず油料理もせず、それでも溜まるものは溜まる。一人暮らしなので人から出る汚れも少ないと言いたいところだが、小生は風呂が苦手なのである。

空気清浄機という家電は、昨今の家電としては極めて簡単な構造である。言うなれば扇風機の前か後ろ、或いはその両方に密度の濃いフィルタを装着するだけである。これは魔法瓶で有名な象印製のもののフィルタ。本体の製造はとっくの昔に終了されたが、この種の商品はこのようなメンテナンスパーツをどこまで供給できるかが製品の良否を決める。なんとかイオン(プラズマ)だのなんとかストリーマ、或いは高密度フィルタなどと本体の高性能を謳っても、交換部品の供給がすぐにストップするようであれば何の価値もない。

さて。

拙宅にはNHKスペシャル「魂の旋律〜音を失った作曲家〜」(2013年3月31日放送)を録画したものが二つある。一つはBD、もう一つはワンセグ。以下はワンセグからのショット(時系列):

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これは番組開始からおよそ18分あたりの映像からのものである。画面に出るテロップの他に、デジタル放送故の字幕を下に表示させることができる。黄色の文字の部分はナレーターの台詞。ところが小生が示した最後の画像については、文字が黄色ではなく淡い青色である。これは佐村河内守本人の台詞であるからである:


「超うれしい」。


中高生の雑談ではない。
確かに、この台詞をテロップにしなかったスタッフの心情は理解できないものではない。しかし、これは間違いなく佐村河内守の口から出たものであり、その音声も放送された。

誰がどこでどのような言葉を用いようと、それは他者が口を挟むべきことではないし、誰もそんな資格を持っていない。小生とて、大学の一般教養での物理実験で電導体を液体窒素で冷やし続け、あるところを超えると電流値がテスターで振り切れるくらいに上がるのを見て、「『超』伝導」を目の当たりにした。今でも、どれだけ高い温度で超伝導現象を生じさせる物質(高温超伝導)を作れるかという競争は行われている。

非線形現象に対して「超」を使うのは、言葉の理にも適っている。だが、「チョーきれい」「チョーうまい」「チョー欲しい」「チョー美味しい」あたりには、ご自由にどうぞとしか言えない。「チョー」が濫用される前には、「すごい(く)」が使われていた「すごくかわいいからすごい欲しい」。

「すごい(く)」のときには「『凄』の偏は『にすい(冫)』だろう?」という指摘が可能であったが、「チョー」にはそのような解釈も説明も通じない。フルーツパフェを食して「これ、チョーヤバイ!」と宣うような輩には何も言わない。

言葉は意思伝達媒体であるので、重要なのは形式ではなく伝達力である。そして「チョーヤバイ」も伝達力を持つ。伝わる以上は存在意義がある。小生は言葉の変遷に物申す立場にはない。しかし、同種の言葉を使って意思疎通を図ることは小生にはできないので、発言者から距離を置くしか方法はない。


……。
Nスペのスタッフは「超うれしい」疑念を抱かなかったのだろうか。

NHKの報告書→これ(pdf)

時代遅れ

  • 2016.10.23 Sunday
  • 19:35
読売オンラインの発言小町より:
発言小町.jpg
リンクはこちら

「婚活中だから魅力的な趣味を?」よくわからん。仮に「逆立ちが趣味の人」「般若心経を唱えるのが趣味の人」という回答が圧倒的に多かったとすれば、この人はそれを趣味にするのだろうか?やはりわからん。


さて。


毎日新聞から二つ。
一つ目:
二輪車で提携 50CCの生産・開発
毎日新聞2016年10月5日 21時26分(最終更新 10月5日 23時43分)

 二輪車世界首位のホンダと国内2位のヤマハ発動機は5日、国内向け排気量50CCスクーターの生産・開発で業務提携を検討すると発表した。ヤマハ発が現在台湾の自社工場で生産している「ジョグ」と「ビーノ」を2018年をめどにホンダ熊本製作所(熊本県大津町)からの相手先ブランドによる受託生産(OEM)供給に切り替える。両社はかつて「HY戦争」と呼ばれる乱売合戦を繰り広げたライバルだが、国内二輪車市場の縮小を受け協調路線にかじを切る。【宮島寛、小川祐希】

 ジョグとビーノはホンダの類似車種「タクト」と「ジョルノ」をベースに、外観のみ変更して販売を続ける。宅配などに使われるビジネススクーターの次期モデルも共同開発し、ホンダ熊本製作所で生産する方向。OEM供給は年5万台規模になる見通し。電動二輪車普及に向けた充電インフラ整備などでの連携も模索する。17年3月の正式契約締結を目指すという。
 二輪車メーカーの双璧である両社は因縁の関係にあり、ホンダが四輪車の海外展開を本格化させた1979年には、ヤマハ発が間隙(かんげき)を突く形で首位獲得に向けた販売攻勢を展開。それを受け、ホンダは四輪車事業の予算を二輪車に振り向けるなどして徹底抗戦した結果、その後数年にわたって続く「HY戦争」に発展し、定価の半値以下の乱売合戦などに陥った。
 東京都内で記者会見したホンダの青山真二取締役は「過去にし烈な競争があったのは事実だが、しこりはない」と強調。ヤマハ発の渡部克明常務が「(縮小する二輪車市場に)単独で対応するのは難しいと判断した」と述べ、同社側から提携を求めたことを明かした。
 国内二輪車市場は電動アシスト自転車の普及などで縮小傾向にあり、15年の国内販売はHY戦争当時の1割強に落ち込んでいる。一方で排ガス規制は年を追うごとに厳しくなり、収益環境は悪化。特に50CCは日本独自の規格のため、輸出に振り向けにくいという事情がある。
 ヤマハ発の50CCモデルは他にも一部あるが、将来的には50CCの自社生産から完全撤退するとみられる。ヤマハ発は今後、利幅の大きい大型二輪などに経営資源を集中させる。また業界全体でも世界市場でも通用する125CCクラスの運転免許取得簡素化などを政府に求めていく考えだ。

 【キーワード】国内の二輪車市場

 販売台数は首位のホンダと2位のヤマハ発動機が「HY戦争」と呼ばれる激しい乱売戦争を繰り広げていた1982年の約330万台をピークに減少傾向に転じ、2015年はピーク時の1割強の約37万台まで落ち込んでいる。違法駐輪の取り締まり強化や電動アシスト自転車の普及などを背景に、販売総数の半分を占める排気量50CCクラス(原付き1種)の落ち込みが激しいのが一因。
 一方、400CCを超える大型バイクの販売は、かつて二輪車に乗っていた中高年が子育てを終えたり、定年退職したりしたのを機に再び乗り始めて堅調。シェアは首位のホンダが4割、2位のヤマハ発は3割で、3位のスズキを含む3社で全体の8割以上を占める。


二つ目:
<ホンダ・ヤマハ発提携>若者SNSに敗れたバイク文化
毎日新聞 10月23日(日)9時0分配信

<ホンダ・ヤマハ発提携>若者SNSに敗れたバイク文化

 国内原付きバイクの市場のほとんどのシェアを占めるホンダとヤマハ発動機が、排気量50CC以下原付きバイクなどの生産・開発で提携することになった。かつて大幅値引きで張り合う「HY戦争」と呼ばれるほどの激しい販売合戦を展開してきた2社が手を組まざるを得ないほど追い込んだ若者のバイク離れはなぜ起こったのか。そこには2大メーカーの販売努力であらがうのは不可能なほど様変わりしたライフスタイルの変化があった。【永井大介】
 原付きバイクの販売がピークを迎えたのは、年間約200万台近くが売れた1980年代前半だ。その後、市場は縮小を続けて2015年は19万3842台まで低迷するなど年間販売台数は10分の1になった。
 価格が15万〜20万円が主流の原付きバイクは、1台あたりの利益が少なく、さらに近年は排出ガスの規制や安全基準が厳しくなった。その対策費がかさみ、単独メーカーで事業を維持するのは難しくなっていた。では、なぜ市場は縮小したのか。

 ◇「三ない運動」で販売は頭打ちに

 バイクが売れた70〜80年代、若者にとってバイクは憧憬(しょうけい)の対象だった。その「入門編」でもある原付きバイクも免許取得が容易なこともあって飛ぶように売れた。一方で、「バイクブーム」は若者の交通事故の増加や社会問題化した暴走族の増加も招いた。
 こうした問題を受け、全国高校PTA連合会を中心に高校生のバイクの運転を禁止させるため、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という「三ない運動」を展開。警察の取り締まりや学校での指導も強化され、二輪車の売れ行きは頭打ちになった。

 ◇パソコンの普及とともに販売台数が急減

 さらにパソコンやスマホの登場が、「原付きバイク市場の縮小を決定づけた」(二輪メーカー関係者)。95年からの10年間で、90万台近くあった年間販売台数が一気に50万台程度まで減少。95年から00年は、就職活動などで使うため、大学生がパソコンを購入するようになった時期と重なる。
 原付きバイクの価格は15万円前後の車種が多く、ノートパソコンもほぼ同じ価格帯だ。また、それまで学生が就職活動の際に、志望動機などを手書きしていたが、インターネット上で受け付ける企業が増えたのもこのころだ。
 パソコンとインターネットによるメールやチャット、さらに携帯電話の普及などで若者のコミュニケーションツールも多様化した。ここ数年はフェイスブックやラインなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が浸透し、友人間の連絡はさらに容易になった。本人と直接話をしなくとも、近況もある程度は把握できる。二輪メーカー関係者も「『ちょっと原付きで友人に会いに行く』、そんな若者文化はなくなったのでは」とお手上げ状態だ。

 メインユーザーだった若者のバイク離れで、50CCバイクの販売台数の下落傾向に歯止めをかけることができず、ホンダとヤマハ発は手を組む必要に迫られた。

 ◇原付き市場を残さなければならない苦悩

 国内二輪市場はホンダ、ヤマハの2社に加えて、スズキや川崎重工の4社でほとんどのシェアを占める。二輪全体でみれば、女性ライダーの増加など明るい材料もあるが、原付きバイク市場の先行きを見通すことは難しい。地方都市での移動手段は軽自動車が主流で、子育て世代には「電動アシスト自転車」が人気を集めていて、原付きバイクの居場所はますます失われつつあるためだ。
 また、50CC規格は販売が国内のみの「ガラパゴス車種」であり、世界の二輪市場の売れ筋が125CCクラスが中心の海外では展開しづらいこともメーカーにとっては悩みの種だ。欧州や新興国では大型バイクに人気が集まっていて、国内メーカーの中にもこうした市場を強化するため販売戦略を見直す動きもある。ヤマハが今回、原付きから事実上の撤退を決めたのも、こうした世界市場の動向を見据えたものでもある。
 とはいえ、原付きバイクはさらに排気量の大きなオートバイへの「入り口」としての役割もあるため、原付きが国内市場からなくなればバイク市場全体をさらに縮小することにもつながりかねない。ライバル2社の提携は、先細りを続ける二輪市場の灯を消さないための苦渋の決断だったといえそうだ。

※フォント赤色は小生による

確かに原チャに乗っている人を見かける機会は激減したなぁ。代わりに電動アシスト自転車を見るようになった。前後にチャイルドシートをつけたのをよく見る。原チャだと二人乗りは不可で、この辺りの事情もあると思う。

記事中に「三ない運動」という言葉が出てくるが、今はこのような運動は不要なのだろう「当の高校生が乗りたいと思わないから」。そして、赤フォントにした部分。面と向かって話をすることの楽しさと重要性は否定しない。だが、代替手段が充実しているのも事実である。太田房江は大阪府知事をしていたころ、何か不祥事を起こすとすぐに新幹線に飛び乗り、東京の自民党本部に頭を下げに行っていた。

消費者庁を徳島県に移す構想にしても、「テレビ会議がうまくいかない」という問題が生じているという。永田町の住人は相手の顔が見えなければダメらしい。平均年齢が還暦を超えた集団だから、現状から40年は遅れている。

今の、「原チャなんかに興味はない」という世代が政治家として力を持つ時代になるまで待つよりない。

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