「きな臭い匂い」〜ロシア人パベルくんへの日本語講座〜

  • 2014.08.28 Thursday
  • 02:35
自分がもし日本語話者でないとすれば、絶対にこんな言語は学習しようとは思わない。使われる文字数は数千文字にもなるし、その大半を占める漢字は単独で意味を持つだけでなく、多くは複数の読み方を持っている。

ところが、ロシアでは日本語を学ぶ人がそこそこいるという。パベルくんもその一人で、キーロフ在住の山葵辞書のユーザさん。漢字かなまじりのメールを送ってくれる。畏れ入るばかり。そんなパベルくんへのサービス。

「きな臭い匂い」
日本人であれば、「きなくさいにおい」と読むことは何ともない。だが、「きな」が外れて「臭い匂い」になると一気にややこしくなる。「くさいにおい」と読むのだが、「臭い」は「におい」とも読む。よって、「においにおい」と読んでも不思議はないのだが、「くさいにおい」と読む。「匂い」は「におい」としか読まない。

では、「臭い」を「くさい」と読むか「におい」と読むかをどう判別するか。
「文脈で判断する」というのは指導法の放棄。

「臭い」が単独で用いられている場合は「くさい」と読むことが多い。「におい」と読んでも間違いではないが、「臭い」を「におい」と読む場合は、「嫌な感じ」「好ましくない」といった意味が含まれる。新明解国語辞典による説明:
におい1.jpg

[good] が「匂い」、[bad] が「臭い」と覚えておけばよい。「悪臭(あくしゅう)」「ガス臭(がすしゅう)」「異臭(いしゅう)」「腐敗臭(ふはいしゅう)」など、「臭」が構成要素となっている言葉を考えるとわかりやすい。「きな臭い」も:

きな臭い.jpg


このような説明になっている。(新明解国語辞典)

「臭い匂い」については、
・「臭」が目に入った時点で、「匂」も視野に入っていること
・「においにおい」という言い回しはないこと
・よって「くさいにおい」と読む

アタマの中でこのようなプロセスが踏まれている(のだと思う)。また、どちらも「におう」という動詞がある。「匂う」と「臭う」。語尾活用も同じワ行五段。ただ、この場合は「くさう」という言葉は存在しないので、読み方で迷うことはない。使うときも [good] が「匂う」、[bad] が「臭う」で、「匂」と「臭」の意味合いを押さえておけば、大きく間違うことはない。

使う側からすれば風流な言語だが、学ぶ側からすればこんな厄介な言語はない。
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>

******

******

******

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM