林檎という特殊な商品

  • 2015.12.09 Wednesday
  • 23:59
ITmedia Mobileでの連載、第二弾。

初めてのiPhone!「オプション解約」に大いにとまどう
ITmedia Mobile 12月1日(火)6時10分配信

超ITオンチな妻に最新iPhoneを渡して、奮闘する様をつぶさに観察する企画「彼女はiPhoneを使いこなせない」。購入を決意した前回に続き、ついに妻のガラケーをiPhone 6sに機種変更する日がきた。

近所の量販店におもむき、あっさり希望端末のiPhone 6sは見つかったのだが、じつは店頭に行くまでにはけっこうな日にちが掛かってしまった。なんとなく、「5sの自分より、妻が先に最新端末を所有できる」のが悔しかったからだ。それを妻に言うと笑われるので、黙っておいたんだけど。

1人で行かせるのは不安しかないので、僕も付き添った。店頭の端末を手に取るや、「ディスプレイが超キレイじゃない? うわっ、でも思ったより大きいな〜。握るの大変だし、片手操作は無理っていうか、小さいiPadみたいだねぇ」とテンションが高い。いや、それ、iPhone 6s Plusだから。大きいヤツだから。

●ギガギガって何回言うのよ

6sが目的だったので店員さんとの話もスムーズ。「ご希望の端末容量は? 何GBのモデルにしましょう?」の問いに妻は「……はい?」と困惑の表情を見せたので、代わりに「64(GB)でお願いします」と伝え、在庫を確認してもらうことに。「ねぇ、64ってなんなの? なにかの暗号?」という言葉は取りあえず無視する。あとはプラン等の契約内容の詰めである。機種選択までは順調だったのだが、ここからが長かった。

まず難しいのが料金プラン。通話料を抑えてネット利用を重視したモノ、その逆のモノ、そもそもネット利用を少なく見積もったエコノミーなモノ等選択肢が多すぎて、妻1人では何も決められない。

「ひと月で何GBくらい使われますかねぇ?」と聞かれても、初スマホだから分からないし、3GB、5GB、7GBからどれか1つ選べといわれても、何をしたらどれくらいのパケットを消費するかも妻はさっぱりイメージできないのだ。

●店員との果てしないやりとり

 あのぉ、写真付きのメールを1通送ると、何GBくらい消費するんでしょうか?

店員 えっ!? いえ、写真1枚ではそれほど消費はしないと思いますが……。

 えーと、だから、あの、その、つまり、私はどうしたら!?

店員 お客さま……。

という終わりの見えないやりとりを見ていると気が遠くなってきたので、「取りあえず5GBで十分かな。僕も5GBだけど使い切れずに翌月に回すくらいだし。家の外で動画サイトを見まくるなんてことをしなければ、全然問題ない」と助け舟を出し、なんとか5GBに着地。放っておいたら確実に日が暮れていたと思う。

後で聞いてみると、端末容量の「GB」と通信量の「GB」を混同して、妻はチンプンカンプンだったそうな。確かに同じ単位だし、紛らわしいという意見はもっともだ。

「5GBが多すぎるようでしたら、1〜2カ月後に使用料を確認して3GBに落とすこともできますよ」という説明はごもっともなのだが、妻が1人でそれをできるとも思えない。惑星間の距離を光年という言葉で小学生に説明するようなものだと感じた。

●「オプションは自分で解約してね」……なんで?

プランが決まってからも、オプション加入の有無、テザリングをオンにするかしないか、等の幾つもの判断を求められる。一難去ってまた一難。店員さんに「これはどうしますか?」と尋ねられるたび、妻は不安な表情でこっちを見てくるので、僕は横でかかりっきりにならざるをえなかった。

取りあえずテザリングオプションはなしにして、その他の外せるオプションも全てオフにした。慣れるまではミニマムでよい。しかし、5個ほどのオプションは半分強制的……というか、セットで付いてきてしまう。初月は無料だが翌月から課金されるので、不要ならお客側でフリーダイヤルに電話して解約してねというパターンのアレである。

 はいはいはいはい、明日解約しときます。

店員 ではよろしくお願いしますね。

妻 どうして? いま加入して翌日解約って意味が分かんない。その一往復のやりとりはムダなのでは……? 今この場でオフにしてもらえないんでしょうか。

店員 う〜ん、そういう仕組みといいますか、決まっていることでして、スミマセン……。

●「日本中でこのやりとりが行われてるんだよね?」

その場は「いいから、後で説明するから!」となんとか収めたが、妻は最後の最後まで、「不要なオプションをわざわざ与え、解約手続きを客に委ねる」という仕組みが解せないようだった。「このやりとりってかなりの数の契約者がするわけでしょ? 作業に費やすオペレーターさんと、説明する店員さんと、そしてお客さんの電話する時間を奪うことになるよね? 日本のあちこちで起きているんだよね? 足し算したらすごいムダが生じてない?」と納得できない様子であった。

さらに、「店員さんが使う横文字が、意味不明な外国語にしか聞こえんかった……」とため息をついていた。妻レベルのリテラシーのお客さんを日々接客されてらっしゃる店員さんには頭が下がる。と同時に、ITに疎い人にもうちょっと分かりやすい説明フローとかあったらいいのに、とも感じた。1人当たりに費やす時間が減れば、お客の待ち時間も減るし、販売機会が増えて売り上げにも貢献するのに。

●「Gが多すぎ!」

さて、帰宅してからは上機嫌の妻。早速ソファに寝っ転がってピカピカのiPhone 6sをいじりだした。

 たしか、家で使うときは家のネット回線を使えるから、ナントカ(通信量5GB)ってのを気にせず使い放題でいいんだよね?

 うん、そうだよ。

 しばらくしてからのぞき込むと、YouTubeを見ていたので、まさかと思って、

 まだWi-Fi設定していないよね?

 わいふぁい?

 案の定、家の中にいる=Wi-Fiの光ネット回線につながっていると信じてうたがっていなかった。何もしなくても、iPhoneで勝手に判断してうまいことやってくれると思っていたそうな。Wi-Fi接続をしてやり、

 ほら、ディスプレイの上の方が“4G”から“扇型のマーク”に替わったでしょ?

 うん、それが何か?

 扇になってたらWi-Fiで、外に出ると4G(フォージー)ってなるよ。

 Gってさっきお店で言ってたGBのことだね?

 いや、Generation(世代)の頭文字なの。4世代目の通信規格を表してる。

 Gが多すぎて、ややこしいわ……

 僕に文句をいわれても……。

購入したその日の晩、妻はキャリアから渡された設定マニュアルと首っ引きになって、1人でシコシコと設定していた。分からない用語やメニューが現れたときは質問に答えたけど、1人で設定することに意味があると思ったので、(ちょっぴり不安はあったが)基本は放置しておいた。

2回ほど、「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」という雄たけびがキッチンから聞こえてきたが、心を鬼にして無視した(1時間かけて入力した何かを、誤ってキャンセルボタンに触れて失ったらしい)。

結局、設定を終わらせるのに4時間(!)かかったそうだが、よい経験になっただろう。

しかし! 1人で設定させたがために後々小さなトラブルが頻発するのだが、その話は次回に。道のりはまだまだ長い――。

●妻の「あたしにも言わせて!」

スマホの入力って難しいです。フリックっていうんですか? 指を縦横無尽にシュッシュさせる方法。あれ、カッコイイって思ってたんですけど、私にはまだムリです。「お」と入力するために「あ」を5回押してます。

あと、どうしてスマホって完了ボタンと削除(消去)ボタンが隣り合わせになっているんですか!? 完了と思って押したつもりが削除ボタンだったことが何度もあって、1時間かけて入力した文章が消えたことが何度もありました……(涙)。

端末にではなく、自分自身に殺意を覚えました。スマホを極める道は険しいです。

<次回予告: 妻、苦難を乗り越えてアプリインストールに成功す>


※強調フォントとリンクはオリジナルに依る。赤フォントは小生の処理。

先ず、赤フォントの部分。これには小生も疑問を感じて、二年前に書いた。こちら
少なくとも小生は経験したことがない。いろいろオファーはされたが、「要りません」と言えばそれで済んだ。だが、現在使用しているiPhone 6 Plusでは幾らかトラブった。従来の料金プランを継続して利用したいと申し出るも、「プランとしては存在するが、ウチでは出せない」とショップで言われたのである。こちら
面倒だからオンラインで購入した。

小生は嘗て、初心者向けの英語のメルマガを発行していたことがある。「本当に無料なのか」「届かない」など、発行作業以外のところでの作業の方が遥かに多かった。その前はIT講習のインストラクター。ローマ字の読み書きなんぞ、それこそ [Common Sense] だと思っていた。

ただ、ショップの店員さんも大変だろうと思う。日本全国でこのやり取りは行われているのだろうという著者の推察は事実だろう。

iPhoneもiPadも、この国でどれだけ多くの人が所有しようと所詮は林檎製品なのである。汎用品足り得ない。バグが出てくればそのバグすら愛するユーザのために製品を供給するメーカなのである。即ち、「使えない方が悪い」。iPhoneユーザには自分のApple IDすら言えない人が少なくないらしい。

そういう製品を取り扱う販売の前線は、本当に大変だと思う。サポートセンターは人件費の安い地方に作られる。精神を疲弊して辞めた人がいても、直ぐに補充が利く。

歪んでいるのは料金体系や販売体制ではなく、もっと根本的なところにある。
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>

******

******

******

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM