あまりにも簡単に読めること

  • 2017.04.24 Monday
  • 23:35
朝日新聞デジタルから二つ。
一つ目:
転落の始まりは10万円 銀行カードローンで狂った人生
2017年4月19日17時30分

 転落のきっかけは、ネット銀行に10万円の借り入れを申し込んだことだった。
 東京都内の元会社員の男性(57)は2013年秋、母親のがん治療費などですでに複数の消費者金融などから計100万円超の借金があった。返済がきつくなり、ネット銀のカードローンを頼った。ネットで申し込むと、審査は驚くほど簡単に通った。収入証明書も不要だった。
 融資枠はキャンペーンなどの誘い文句で増え、借入額は半年で200万円超に。他の銀行カードローンでも借り入れを重ねた。
 手取りは20万円余りだったが、毎月の返済額は十数万円を超え、行き詰まって今年1月、自己破産を申請した。「最初に借りたときはありがたいと思った。でも抜け出すのは難しかった。本当にバカでした」と男性は話す。
 債務整理にあたった森川清弁護士は「社会福祉協議会の資金貸付制度などを使えば、破産せずに済んだ可能性がある」と言う。公的支援を知る前に、街にあふれるカードローンの宣伝に触れ、「安易に借りて後戻りできなくなる人が増えている」とみる。
 この10年で、無担保の個人向けローンを巡る環境は大きく変わった。最大の貸し手だった消費者金融は多重債務が問題視され、06年の貸金業法改正で融資総額を「年収の3分の1以内」に規制された。利息制限法の上限(20%)を超える「グレーゾーン」金利は撤廃され、「過払い金」の返還請求で業績も悪化した。
 代わって貸し出しを伸ばしたのが、銀行のカードローンだ。銀行は貸金業法の規制外で、融資額の上限はない。タレントを使った広告で、1千万円という高額な融資上限をアピールするケースもある。貸付残高は消費者金融を上回り、16年末は約5・4兆円と、消費者金融などの約4兆円との差を広げている。
 埼玉県の男性(53)は病気で仕事を辞めた直後の13年夏、「宝くじに当たった」という詐欺メールで計800万円をだまし取られた。そのうち400万円は銀行がわずか1カ月のうちに貸し付けた。今年1月に自己破産を申請。「仕事を失い、まともな判断ができなかった」と男性は話す。
 別の40代の会社員男性は、競馬などで複数のカードローンの借金が1千万円を超えていた。そこへ15年初め、付き合いのない地銀から電話がかかってきた。「金利が安くなる」と勧められた「おまとめローン」で、1千万円を年利10%で借りた。他の借金はいったん返済した。
 しかし男性は競馬をやめられず、他の銀行からまた借り始め、借金総額は年収の3倍超の2600万円に膨らんだ。個人再生手続きをした三上理弁護士は「銀行は男性の返済能力をきちんと審査せずに貸し続けたのではないか」と話す。
 債務整理に取り組む弁護士らは、銀行カードローンの急増が、再び多重債務問題を起こしつつあると懸念する。個人による自己破産申立件数は昨年、13年ぶりに前年より増えた。銀行カードローンによる多額の貸し付けが影響している可能性がある。
 日本弁護士連合会は、銀行にも消費者金融と同様に、融資額の規制をかけるよう求めている。これに対し、全国銀行協会の小山田隆会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は「一律に規制すれば利便性を損ねる」と規制強化に消極的だ。「利便性」の具体的な内容について、3日の記者会見で問われた小山田氏は明確には答えなかった。(藤田知也)

■銀行カードローンによる過剰貸し付けの例
・年収356万円の40代女性が433万円を借り、自己破産
・年収220万円の60代女性が500万円を借り、自己破産
・年収160万円の60代男性が226万円を借り、任意整理
・年収226万円の50代男性が960万円を借り、自己破産
・無収入の50代男性が収入証明書なしで300万円を借り、個人再生
・無収入の50代女性が収入証明書なしで170万円を借り、任意整理
※日本弁護士連合会が2016年6〜7月に調査



二つ目:
銀行カードローン、高額融資 80行「年収3分の1超」
2017年4月21日07時06分

 銀行の無担保の個人向け「カードローン」で、多くが消費者金融会社には禁じられている「年収の3分の1超」の貸し付けを行っていることが、朝日新聞の調査でわかった。年収を上回る貸し付けもあり、貸付額の上限がない銀行が高額な貸し付けを行っている実態が明らかになった。
 全国銀行協会の正会員120行に対して4月中旬に書面で聞き、101行が回答した。カードローンを提供しているのは96行。貸付額が「年収の3分の1を超える」のは80行で、うち19行は年収を超える場合もあるとした。「3分の1を超えない」は3行だった。13行は回答しなかった。
 改正貸金業法で消費者金融は「年収の3分の1超」の貸し付けが禁止されているが、銀行は対象外だ。アンケートで銀行にも「3分の1超」を規制すべきか尋ねたところ、「不要」が35行、「必要」は4行だった。62行は「わからない・未回答」とした。不要とした銀行は「適切に判断できる」「まとまったお金が必要な場合がある」、必要だとした銀行は「消費者の保護を優先すべきだ」などとコメントした。
 規制の必要性は認めつつ「一律に年収3分の1以下とするのは疑問」「保証会社に審査を任せる場合だけ規制すべきだ」との意見もあった。
 多重債務への懸念から、日本弁護士連合会は銀行への規制を求めている。全銀協は消極的だが、3月に過剰融資の対策を各行に求めた。アンケートでは77行が「対応している」とし、具体策として、広告の見直しや審査の厳格化を挙げた。(河合達郎、藤田知也)

■銀行カードローンに関するアンケート結果と主な意見

(全国銀行協会加盟の正会員120行に書面で聞き、101行が回答)

●カードローンの提供は?
している=96行
していない=5行

●単独で年収の3分の1超を貸し付けることは?
ない=3行
3分の1超はあるが年収は超えない=61行

年収を超える貸し付けもある=19行

●貸金業と同様に、銀行も貸付額を年収の3分の1以内にする規制は必要?
必要=4行
不要=35行
わからない=44行

●年収の3分の1超の貸し付けは、消費者に利便性がある?
ある=45行
ない=3行
わからない=34行

●全国銀行協会が求めた過剰融資対策への対応は?
している=77行
していない=6行

■銀行から寄せられた主なコメント
・低所得者や高齢者が生活費に利用。一律に規制すると生活に困る人も
・規制すれば、利用者が高金利の業者に流れる可能性がある
・一時的な大口支出に応える利便性がある
・借金を一本化する「おまとめローン」は、利息負担を軽減できる利点がある
・教育費や医療費に使われる場合もある
・消費者保護を優先して規制すべきだ
・銀行が自分で審査しない場合は規制を設けるべきだ
・銀行は信用がすべて。貸し手として責任を持たないといけない
・貸金業者への規制の抜け道に銀行が利用されている肌感覚がある
・自己破産の温床となる懸念がある。利便性が高いとは言いにくい

※フォント赤色は小生による

大方の消費者金融の初期設定枠は50万円である。この金額であれば「年収の3分の1以内」という枠も大概はクリアできる。でもって消費者金融の業者間で情報共有がされているようで、総額は200万円前後。単純に計算すると50万円ずつ4社から借りられることになる。200万円の借り入れに対して、20パーセント近い金利。金利だけで月々3万円になる。

ここで銀行の「おまとめローン」が出てくる。「15パーセントぐらいのやや低めの金利で(といっても十分高い)、ウチでまとめて面倒見ます」というアレである。確かに返済先は一箇所だけになり、金利も少しではあるが下がるので楽になる。楽になった気分になる。

しかし、銀行のローンでも月々の利息は2万円を軽く超える。毎月5万円以上を払い続けることになる。月収の手取りにもよるが、毎月5万円以上払い続けられるような人ならば初手から消費者金融の世話にはならない。

そうすると、である。チャラになったはずの消費者金融に、もう一度手を出すことになる。消費者金融の側からすれば50万円を貸して完済してくれた優良顧客であるので、喜んで貸してくれる。ここでも「数万円だけ」から始まるのだが、200万円の枠に到達するのは簡単である。その枠に到達する頃には、銀行のローンへの返済も完済とまでは行かないが、元本とそれなり利息を回収できる。

これ以上は借りられないので、必然的に自己破産となる。ポイントとなるのは、このときに銀行は損をしていないこと。200万円を貸して、15パーセントの金利は無理にしてもそこそこの利息つきで回収が終わっている。損失を計上するのは消費者金融業者である。

大手消費者金融の場合はバックに銀行がついている(主要株主)ことが多いから、警戒はするはずである。それでも過払い金だけで数十万円に達するような世界である。それより遥かに多い利息収入を得ていることになる。そうすると、損失を計上したとしてもトータルとしては利益を出していることになる。
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