焦燥

  • 2017.05.13 Saturday
  • 20:36
11日の朝日新聞の社説と12日の毎日新聞の記事。

まず朝日社説:
(社説)憲法70年 首相は身勝手が過ぎる
2017年5月11日5時0分

 きょう予定されていた衆院憲法審査会の開催が見送られる。安倍首相の憲法改正をめぐる発言に野党が反発した。改憲を悲願とする首相のふるまいが、国会での議論を停滞させている。皮肉な話である。
 首相は先週、9条に自衛隊の存在を明記し、2020年に改正憲法の施行をめざす考えを、読売新聞のインタビューと憲法記念日の改憲派集会に寄せたビデオメッセージで示した。
 だが、そもそも憲法のどの条項をどう変えるかを国民に発議する権限を持つのは国会だ。
 行政府の長である首相が、その頭越しに具体的な改憲項目や目標年限を示せば、与野党を超えた幅広い合意をめざしてきた憲法審が混乱するのは当然である。
 それでも首相が改憲という重大な発信をした以上、国会の場でその狙いや中身をただすのは野党の当たり前の仕事だ。これに誠実にこたえ、真意を説明する責任が首相にはある。
 だが国会での説明責任を、首相はあまりにも軽く見ている。
 衆院予算委員会で発言の意図を問われた首相は、国会審議には首相として出席しており、インタビューなどは自民党総裁として語ったことだと答弁。「自民党総裁の考え方は読売新聞に書いてある。ぜひ熟読していただいてもいい」と述べた。
 首相と自民党総裁の肩書の、なんとも都合よい使い分けである。国会議員の背後に多くの国民の存在があることを忘れた、おごった発言だ。
 野党の質問の多くにまともに答えない一方で、首相は「民進党も具体的な提案を出していただきたい」と挑発した。
 これも、手前勝手な「自己都合」の押しつけである。
 報道各社の世論調査を見ても国民の大半が改憲を望む状況にはない。なのになぜ、野党が改憲案を示す必要があるのか。
 首相は国会で「(改憲発議に必要な衆参の)3分の2を形成し、かつ国民投票で過半数を得ることができる案はなにかを考えるのが、政治家の責任ある行動だ」と述べた。
 首相が、日本維新の会が掲げる教育無償化を改憲項目にあげたのはそのためだろう。3分の2を確保するために「教育」を道具に使う。そんな政局的思惑が見える。
 自らの自民党総裁3選を視野に、東京五輪が開かれる2020年に、首相として改正憲法を施行したい――。首相は結局、自己都合を自公維の数の力で押し通すつもりなのか。
 1強の慢心というほかない。


毎日新聞の記事:
「読売熟読して」 メディア選別し利用、思惑は

 安倍晋三首相は憲法記念日の3日付読売新聞のインタビューと、同日の改憲派集会へのビデオメッセージを通じ、憲法を改正して2020年の施行を目指すと表明した。首相は第2次政権発足後、重要な政策やメッセージを発表する場合、記者会見などの開かれた場のほかに、一部のメディアをしばしば利用している。今回の手法にも「メディアを選別し、都合のよい情報発信をしている」との指摘が出ている。【青島顕、川名壮志】

 「自民党総裁としての考えは読売新聞に相当詳しく書いてある。ぜひ熟読してほしい」。安倍首相は8日の衆院予算委員会で、長妻昭氏(民進)から憲法改正発言の真意を問われ、そう強弁した。

「読売を熟読して」 国会答弁に騒然

 首相は内閣には改憲の発議権がなく、発言は自民党総裁としてしたものだと立場を使い分け、「(国会答弁には)首相として立っており、(自民党)総裁としての考えはそこ(新聞)で知ってほしい」と述べた。
 「新聞を読めってのか」。野党側は答弁を避けた首相に反発し、騒然となった。野党の理事に詰め寄られた浜田靖一委員長(自民)は「一部新聞社の件等々あったが、この場では不適切なので、今後気をつけていただきたい」と収めたが、首相はどこ吹く風の表情だった。
 首相は4月24日夜、読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社主筆と会食した。その2日後の26日、失言問題で今村雅弘・復興相(当時)を事実上更迭した後、同紙の前木理一郎・政治部長のインタビューに応じた。
 読売新聞は1週間後の3日、「憲法改正 20年施行目標」「9条に自衛隊明記」との見出しで首相の発言を1面トップで報じ、4面の大部分を使って全文を掲載した。
 インタビューでは、現行の9条の条文を維持したうえで自衛隊を明記するという首相の意向が語られている。しかし、それによって自衛隊の役割が変わるのかといった肝心な点への質問はされないまま終わっている。首相は3日の改憲派集会にもビデオメッセージを寄せ、読売新聞のインタビューとほぼ同様の内容を語っている。

「批判的質問受けぬ方法選んでいる」

 鈴木秀美・慶応大教授(憲法、メディア法)は「重要な問題であるにもかかわらず、首相が一方的に意向を表明しているだけだ。批判的な質問を受けずに済む方法を選んでおり、メディアを選別した非民主的な手法だ。自民党総裁として党本部などで記者会見し、質疑応答の中で真意を明らかにすべきで、首相の発言とともに各メディアの分析や批判も報じられるのがあるべき姿だ」と指摘する。さらに「読売新聞も首相のメディア戦略に呼応し、利用されている。報道機関として期待される権力監視の役割を果たすどころか、政権に協力し一体化していると言われても仕方がない」と批判する。
 元テレビ朝日記者で「放送レポート」編集長の岩崎貞明さんは、読売新聞のインタビューが「改めて憲法改正にかける思いを」という質問から始まっていることに着目する。
 「現行憲法をどう考えるかを問うことから始めるべきなのに、改憲が前提の質問になってしまっている。いまの憲法にどんな問題があるかという視点に欠けており、変えることが双方にとって自己目的化しているのではないか」と指摘する。

「憲法論議を官邸主導にした」

 民主党政権で内閣広報室審議官を務めた下村健一・白鴎大客員教授(ジャーナリズム)は、読売新聞が1面の記事の肩書として「自民党総裁」を冒頭の2度のみにして、以後は「首相」を使ったことの効果に注目する。「安倍氏は国会で『総裁としての発言。読売を熟読してほしい』と答弁した。しかし、読者には首相としての発言として記憶されるし、首相と書かれた以上、内閣スタッフは首相としての安倍氏の意向をそんたくして動かざるをえない。結果的に安倍氏はメディアを使って憲法論議を官邸主導にした」と話す。
 読売新聞グループ本社広報部は毎日新聞の取材に対し、「取材や記事作成の経緯等に関しては従来お答えしていません」としている。
 歴代の首相は単独インタビューに応じず、記者会見の場でさまざまな形の質問に答えるのが内閣記者会との慣例になっていた。ところが12年末の第2次安倍政権発足後、単独インタビューを通じた情報発信を始め、各報道機関の申し出に応じるようになった。ただ最近は、発信の対象を一部メディアに限っているとの指摘もある。15年の安全保障関連法審議中に国民から反対の声が広がった時には、BS日テレとフジテレビに長時間出演した。

※フォント赤色は小生による

読売(日テレ)と産経(フジテレビ)は与党よりで、毎日(TBS)と朝日(テレ朝)は野党より。メディアによる論調の違いはない方がおかしい。よって、不満はあるものの国内のメディアという総体で見た場合は「あり」だと思う。

ここで、話は小生自身の話に脱線する。嘗て、バイト先で「給料の支払いの記録がこちら(の会社)に残らないようにしてほしい」と珍妙な願い出をしたことがある。安倍は同じことをしたのだ「『安倍晋三記念小学院』の設立に関して、『アベ』の名前を一切記録に残さないでほしい」。

「アベ内閣」「アベ政権」「アベノミクス」
一人称に自分の名前を使う幼稚園児のようだ。「アベ」と口に出すのが快感なのだろう。故に、自分の名前を冠する学校の設立は本望だったことだろう。だが、設立に自分を関与していない形にし、「私の考えに共鳴してくださった方が、学校まで設立してくださった」と今ごろ宣うつもりだったのだろう、半年前は。ここから高校と大学も作りたかったのかもしれない。

設立に関与する記録が存在しないことを確信しているので、「関与していれば総理だけでなく議員も辞職する」と早々に言い切った。

そうして、自分の名前が冠された小学校が軌道に乗った頃に、「これほどまでの支持者がいる、支持がひろがっている」と憲法記念日に改憲を加速させるスピーチを行いたかったのだろう。だが、小学校は想定外の攻撃に遭い、開校できなかったばかりか母体となる団体のトップから裏切られるという事態に至った。

5月3日には集会にビデオメッセージを送り、読売新聞に自説を載せさせた。読売新聞のそれについては「自民党総裁」という肩書きであったにも関わらず、自民党のサイトには一切載っていない。

要は反論が怖いのだ。故に記者会見でも質問する記者に質問内容を予め提出させる。外国人記者の「日本は難民を受け容れるつもりはないのか?」という予定になかった質問に顔をこわばらせ、「人口問題としては」と頓珍漢な回答をするしかなかった。ビデオメッセージと「味方」の新聞での発表ならば、反論が直接耳に届くことはない。「NEWS23」に出演したときに街の声が政策批判ばかりだったことに対して、「操作している!」と顔を紅潮させた。恐らく側近か参謀か知らないがそのような立場にいる人が「毎日や朝日にリアルタイムで出演させてはいけない」と判断したのだろう。一般市民ならば弁護士同伴という手もあるが、首相に弁護士を同伴させるとなると無能さを暴露することになる。


「指一本」「対案」

前者については「憲法については指一本触れさせないという態度でいいのか」と激昂したのだが、それ以前の会見で「日本人には指一本触れさせない」と宣ったことがある。ISIL(Islamic State in Iraq and the Levant) が攻撃対象に日本人も含むというようなことを宣言したときである。

後者については、今も懸命に連呼している「民進党は対案を出せ!」。憲法を変えるということが前提としてあるから、このような発言になる。現行憲法については「アメリカの押しつけだから」という理由以外の理由を聞いたことがない。GHQ草案が鈴木安蔵先生の憲法研究会に大きな影響を受けたこと、その鈴木安蔵先生が色川大吉先生や植木枝盛先生の影響を受けていたことを知らないらしい。
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