ネームバリュー

  • 2017.01.24 Tuesday
  • 22:25
東京新聞の社説(24日)より:
安倍首相答弁 野党批判の度が過ぎる

2017年1月24日

 国会という言論の府で一党の党首が他党を批判するのは当然だろう。しかし、安倍晋三自民党総裁の場合、度が過ぎはしないか。安倍氏は同時に行政府の長だ。野党批判にもおのずから限度がある。
 きのう衆院で始まった各党代表質問。冒頭、質問に立ったのは民進党の野田佳彦幹事長だった。
 現職首相と前職首相との「大将戦」である。野田氏が「大局的な視野から質問する」と述べたように、本来なら「国の在り方」をめぐる骨太の議論が期待されるところだ。しかし、後味の悪さが残ったのは、首相の野党批判と無縁ではなかろう。
 野田氏は成長重視の経済政策の行き詰まりを指摘し、二〇一七年度予算案について「メリハリに欠け、ニーズにも的確に対応した予算とは言えない」として、予算案を撤回して「人への投資」に重点的に予算配分することを提案した。
 これに対し、首相は、安倍内閣では旧民主党政権時代と比べて国と地方の税収が二十二兆円増加したことや、毎年一兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びを五千億円以下に抑えたことなどを列挙し、「私たちは言葉だけではなく、結果を出している」と強調した。
 保育士の処遇についても「民主党政権では三年三カ月、何も行わず給与はむしろ引き下げられた。安倍内閣は言葉を重ねるだけでなく結果で応えていく」と述べた。
 現衆院議員は任期四年の半分が過ぎ、年内の衆院解散の可能性が取り沙汰される政治状況だ。政権与党の党首が選挙に勝つために、野党第一党への批判に力を入れる意図は理解できなくもない。
 しかし、首相は政権与党の党首であると同時に、権力を行使する行政府の長でもある。立法府に対する行き過ぎた批判は、三権分立の大原則を逸脱しかねない。
 首相は先週の施政方針演説でも民進党を念頭に「ただ批判に明け暮れ、国会の中でプラカードを掲げても何も生まれない」と述べ、民進党は抗議した。
 自民党側も理解を示し、衆院議院運営委員会理事会では「行政府の長である首相が立法府を評価するのは適切ではない」と政府に伝えることを申し合わせた、という。当然である。
 首相はこれまでも国会の場で野党批判を繰り返してきた。安倍一強の「おごり」にほかならない。国会が批判合戦に明け暮れず、建設的な議論の場となるよう、首相には猛省を、野党側には奮起を促したい。


官邸のサイトから、「1月20日の所信表明」:
 まず冒頭、天皇陛下の御公務の負担軽減等について申し上げます。現在、有識者会議で検討を進めており、近々論点整理が行われる予定です。静かな環境の中で、国民的な理解の下に成案を得る考えであります。

一 はじめに

 昨年末、オバマ大統領と共に、真珠湾の地に立ち、先の大戦で犠牲となった全ての御霊(みたま)に、哀悼の誠を捧げました。
 我が国では、三百万余の同胞が失われました。数多(あまた)の若者たちが命を落とし、人々の暮らし、インフラ、産業はことごとく破壊されました。
 明治維新から七十年余り経った当時の日本は、見渡す限りの焼け野原。そこからの再スタートを余儀なくされました。
 しかし、先人たちは決して諦めなかった。廃墟と窮乏の中から敢然と立ち上がり、次の時代を切り拓きました。世界第三位の経済大国、世界に誇る自由で民主的な国を、未来を生きる世代のため創り上げてくれました。
 戦後七十年余り。今を生きる私たちもまた、立ち上がらなければならない。「戦後」の、その先の時代を拓くため、新しいスタートを切る時です。
 少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長、厳しさを増す安全保障環境。困難な課題に真正面から立ち向かい、未来を生きる世代のため、新しい国創りに挑戦する。今こそ、未来への責任を果たすべき時であります。
 私たちの子や孫、その先の未来、次なる七十年を見据えながら、皆さん、もう一度スタートラインに立って、共に、新しい国創りを進めていこうではありませんか。

二 世界の真ん中で輝く国創り

(日米同盟)
 かつて敵として熾烈に戦った日本と米国は、和解の力により、強い絆(きずな)で結ばれた同盟国となりました。
 世界では今なお争いが絶えません。憎しみの連鎖に多くの人々が苦しんでいます。その中で、日米両国には、寛容の大切さと和解の力を示し、世界の平和と繁栄のため共に力を尽くす責任があります。
 これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそが我が国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則です。できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟の絆(きずな)を更に強化する考えであります。
 先月、北部訓練場、四千ヘクタールの返還が、二十年越しで実現しました。沖縄県内の米軍施設の約二割、本土復帰後、最大の返還であります。地位協定についても、半世紀の時を経て初めて、軍属の扱いを見直す補足協定が実現しました。
 更に、学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にあり、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の全面返還を何としても成し遂げる。最高裁判所の判決に従い、名護市辺野古沖への移設工事を進めてまいります。
 かつて、「最低でも」と言ったことすら実現せず、失望だけが残りました。威勢のよい言葉だけを並べても、現実は一ミリも変わりません。必要なことは、実行です。結果を出すことであります。
 安倍内閣は、米国との信頼関係の下、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に、一つひとつ結果を出していく決意であります。

(地球儀を俯瞰(ふかん)する外交)
 本年は、様々な国のリーダーが交代し、大きな変化が予想されます。先の見えない時代において、最も大切なこと。それは、しっかりと軸を打ち立て、そして、ぶれないことであります。
 自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携する。
 ASEAN、豪州、インドといった諸国と手を携え、アジア、環太平洋地域から、インド洋に及ぶ、この地域の平和と繁栄を確固たるものとしてまいります。
 自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた、二十一世紀型の経済体制を構築する。
 TPP協定の合意は、そのスタンダードであり、今後の経済連携の礎となるものであります。日EU・EPAのできる限り早期の合意を目指すとともに、RCEPなどの枠組みが野心的な協定となるよう交渉をリードし、自由で公正な経済圏を世界へと広げます。
 継続こそ力。就任から五年目を迎え、G7諸国のリーダーの中でも在職期間が長くなります。五百回以上の首脳会談の積み重ねの上に、地球儀を大きく俯瞰(ふかん)しながら、ダイナミックな平和外交、経済外交を展開し、世界の真ん中でその責任を果たしてまいります。

(近隣諸国との関係改善)
 日本海から東シナ海、南シナ海に至る地域では緊張が高まり、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。地域の平和と安定のため、近隣諸国との関係改善を積極的に進めてまいります。
 ロシアとの関係改善は、北東アジアの安全保障上も極めて重要です。しかし、戦後七十年以上経っても平和条約が締結されていない、異常な状況にあります。
 先月、訪日したプーチン大統領と、問題解決への真摯な決意を共有しました。元島民の皆さんの故郷(ふるさと)への自由な訪問やお墓参り、北方四島全てにおける「特別な制度」の下での共同経済活動について、交渉開始で合意し、新たなアプローチの下、平和条約の締結に向けて重要な一歩を踏み出しました。
 この機運に弾みをつけるため、本年の早い時期にロシアを訪問します。七十年以上動かなかった領土問題の解決は容易なことではありませんが、高齢である島民の皆さんの切実な思いを胸に刻み、平和条約締結に向け、一歩でも、二歩でも、着実に前進していきます。
 本年、日中韓サミットを我が国で開催し、経済、環境、防災など幅広い分野で、地域レベルの協力を強化します。
 韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新しい時代の協力関係を深化させてまいります。
 中国の平和的発展を歓迎します。地域の平和と繁栄に大きな責任を有することを、共に自覚し、本年の日中国交正常化四十五周年、来年の日中平和友好条約締結四十周年という節目を迎える、この機を捉え、「戦略的互恵関係」の原則の下、大局的な観点から、共に努力を重ね、関係改善を進めます。
 北朝鮮が昨年、二度にわたる核実験、二十発以上の弾道ミサイル発射を強行したことは、断じて容認できません。安保理決議に基づく制裁に加え、関係国と協調し、我が国独自の措置も実施しました。「対話と圧力」、「行動対行動」の一貫した方針の下、核、ミサイル、そして引き続き最重要課題であり、発生から長い年月が経つ拉致問題の包括的な解決に向け、北朝鮮が具体的な行動を取るよう強く求めます。

(積極的平和主義)
 真新しい国旗を手に、誇らしげに入場行進する選手たち。
 南スーダン独立後、初めての全国スポーツ大会には、異なる地域から、異なる民族の選手たちが一堂に会しました。
 その会場の一つとなる、穴だらけだったグラウンドに、一千個を超えるコンクリートブロックを、一つひとつ手作業で埋め込んだのは、日本の自衛隊員たちです。
 最終日、サッカー決勝は、奇(く)しくも、政治的に対立する民族同士の戦い。しかし、選手も、観客も、フェアプレーを貫きました。終了後には、勝利した側の選手が、負けた側の選手の肩を抱き、互いの健闘を称(たた)えあう光景が、そこにはありました。
 幼い息子さんを連れて観戦に来ていたジュバ市民の一人は、その姿に感動し、こう語っています。
 「毎日、スポーツが行われるような平和な国になってほしい。」
 隊員たちが造ったのは、単なるグラウンドではありません。平和を生み出すグラウンドであります。自衛隊の活動一つひとつが、間違いなく、南スーダンの自立と平和な国創りにつながっている。
 灼熱(しゃくねつ)のアデン湾では、今この時も、海賊対処に当たる隊員諸君がいます。三千八百隻を上回る世界の船舶を護衛してきました。
 平和のため黙々と汗を流す自衛隊の姿を、世界が称賛し、感謝し、頼りにしています。与えられた任務を全力で全うする彼らは、日本国民の誇りであります。
 テロ、難民、貧困、感染症。世界的な課題は深刻さを増しています。こうした現実から、我が国だけが目を背けるようなことは、あってはなりません。今こそ、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄のため、皆さん、能(あた)う限りの貢献をしていこうではありませんか。

三 力強く成長し続ける国創り

(「壁」への挑戦)
 昨年、大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞し、三年連続で日本人がノーベル賞を獲得。世界の真ん中で輝く姿に、「やれば、できる」。日本全体が、大きな自信と勇気をもらいました。
 「未来は『予言』できない。しかし、『創る』ことはできる。」
 ノーベル賞物理学者、デニス・ガボールの言葉です。
 五年前、日本には、根拠なき「未来の予言」があふれていました。「人口が減少する日本は、もう成長できない」、「日本は、黄昏(たそがれ)を迎えている」。不安を煽る悲観論が蔓延していました。
 まさにデフレマインド、「諦め」という名の「壁」が立ちはだかり、政権交代後も、「アベノミクスで成長なんかできない」。私たちの経済政策には、批判ばかりでありました。
 しかし、日本はまだまだ成長できる。その「未来を創る」ため、安倍内閣は、この四年間、三本の矢を放ち、「壁」への挑戦を続けてきました。
 その結果、名目GDPは四十四兆円増加。九%成長しました。中小・小規模事業者の倒産は二十六年ぶりの低水準となり、政権交代前と比べ三割減らすことに成功しました。
 長らく言葉すら忘れられていた「ベースアップ」が三年連続で実現しました。史上初めて、四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えました。全国津々浦々で、確実に「経済の好循環」が生まれています。
 格差を示す指標である相対的貧困率が足元で減少しています。特に子どもの相対的貧困率は二%減少し、七・九%。十五年前の調査開始以来一貫して増加していましたが、安倍内閣の下、初めて減少に転じました。
 「出来ない」と思われていたことが次々と実現できた。かつての悲観論は完全に間違っていた。そのことを、私たち自公政権は証明しました。
 この「経済の好循環」を更に前に進めていく。今後も、安定した政治基盤の下、力を合わせ、私たちの前に立ちはだかる「壁」を、次々と打ち破っていこうではありませんか。

(中小・小規模事業者への好循環)
 景気回復の風を、更に、全国津々浦々、中小・小規模事業者の皆さんにお届けする。
 先月、五十年ぶりに、下請代金の支払いについて通達を見直しました。これまで下請事業者の資金繰りを苦しめてきた手形払いの慣行を断ち切り、現金払いを原則とします。近年の下請けいじめの実態を踏まえ、下請法の運用基準を十三年ぶりに抜本改定しました。今後、厳格に運用し、下請取引の条件改善を進めます。
 四月から、成長の果実を活かし、雇用保険料率を引き下げます。これにより、中小・小規模事業者の負担を軽減し、働く皆さんの手取りアップを実現します。更に、賃上げに積極的な事業者を、税額控除の拡充により後押しします。
 生産性向上のため、今後二年間の設備投資には、固定資産税を三年間半減する。この仕組みを、製造業だけでなく、小売・サービス業にも拡大することで、商店街などにおいても攻めの投資を促します。

(地方創生)
 一日平均、二十人。人影が消え、シャッター通りとなった岡山の味野(あじの)商店街は、その「壁」に挑戦しました。
 地場の繊維産業を核に、商店街、自治体、商工会議所が一体で、「児島ジーンズストリート」を立ち上げました。三十店を超えるジーンズ店が軒を並べ、ジーンズ柄で構内がラッピングされた駅からは、ジーンズバスやジーンズタクシーが走ります。
 まさに「ジーンズの聖地」。今や、年間十五万人を超える観光客が集まる商店街へ生まれ変わりました。評判は海外にも広がり、アジアからの外国人観光客も増えています。
 地方には、それぞれの魅力、観光資源、ふるさと名物があります。それを最大限活かすことで、過疎化という「壁」も必ずや打ち破ることができるはずです。
 自分たちの未来を、自らの創意工夫と努力で切り拓く。地方の意欲的なチャレンジを、自由度の高い「地方創生交付金」によって、後押しします。
 地方の発意による、地方のための分権改革を進めます。空き家や遊休地の活用に関する制限を緩和し、自治体による有効利用を可能とします。
 故郷(ふるさと)への情熱を持って、地方創生にチャレンジする。そうした地方の皆さんを、安倍内閣は、全力で応援します。

(観光立国)
 一千万人の「壁」。政権交代前、外国人観光客は、年間八百万人余りで頭打ちとなっていました。
 安倍内閣は、その「壁」を、僅か一年で突破しました。四年連続で過去最高を更新し、昨年は、三倍の二千四百万人を超えました。
 日本を訪れる外国クルーズ船は、僅か三年で四倍に増加。秋田港で竿燈(かんとう)まつり、青森港でねぶた祭、徳島小松島港で阿波おどり、各地自慢の祭りを巡る外国のクルーズツアーが企画されるなど、地方に大きなチャンスが生まれています。
 民間資金を活用し、国際クルーズ拠点の整備を加速します。港湾法を改正し、投資を行う事業者に、岸壁の優先使用などを認める新しい仕組みを創設します。
 沖縄はアジアとの架け橋。我が国の観光や物流のゲートウェイです。新石垣空港では、昨年、香港からの定期便の運航が始まり、外国人観光客の増加に沸いています。機材の大型化に対応するための施設整備を支援します。
 全国の地方空港で、国際定期便の就航を支援するため、着陸料の割引、入国管理等のインフラ整備を行います。羽田、成田両空港の二〇二〇年四万回の容量拡大に向け、羽田空港では新しい国際線ターミナルビルの建設に着手します。
 いわゆる「民泊」の成長を促すため、規制を改革します。衛生管理などを条件に、旅館業法の適用を除外することで、民泊サービスの拡大を図ります。
 あらゆる政策を総動員して、次なる四千万人の高みを目指し、観光立国を推し進めてまいります。

(農政新時代)
 地方経済の核である農業では、高齢化という「壁」が立ちはだかってきました。平均年齢は六十六歳を超えています。
 しかし、攻めの農政の下、四十代以下の新規就農者は二年連続で増加し、足元では、統計開始以来最多の二万三千人を超えました。生産農業所得も、直近で年間三兆三千億円、過去十一年で最も高い水準まで伸びています。
 更なる弾みをつけるため、八本に及ぶ農政改革関連法案を、今国会に提出し、改革を一気に加速します。
 農業版の「競争力強化法」を制定します。肥料や飼料を一円でも安く仕入れ、農産物を一円でも高く買ってもらう。そうした農家の皆さんの努力を後押しするため、生産資材や流通の分野で、事業再編、新規参入を促します。委託販売から買取販売への転換など、農家のための全農改革を進めます。数値目標の達成状況を始め、その進捗をしっかりと管理してまいります。
 牛乳や乳製品の流通を、事実上、農協経由に限定している現行の補給金制度を抜本的に見直し、生産者の自由な経営を可能とします。
 農地バンクの下、農地の大規模化を進めます。世界のマーケットを目指し、生産行程や流通管理の規格化、JETROの世界ネットワークを活用したブランド化を展開し、競争力を強化します。
 農政改革を同時並行で一気呵(か)成に進め、若者が農林水産業に自分たちの夢や未来を託することができる「農政新時代」を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。

(イノベーションを生み出す規制改革)
 チャレンジを阻む、あらゆる「壁」を打ち破ります。イノベーションを次々と生み出すための、研究開発投資、そして規制改革。安倍内閣は、三本目の矢を、次々と打ち続けます。
 医療情報について、匿名化を前提に利用可能とする新しい仕組みを創設します。ビッグデータを活用し、世界に先駆けた、新しい創薬や治療法の開発を加速します。
 人工知能を活用した自動運転。その未来に向かって、本年、各地で実証実験が計画されています。国家戦略特区などを活用して、自動運転の早期実用化に向けた民間の挑戦を後押しします。
 民間の視点に立った行政改革も進めます。長年手つかずであった各種の政府統計について、一体的かつ抜本的な改革を行います。
 本年四月からガスの小売りを完全に自由化します。昨年の電力自由化と併せ、多様なサービスのダイナミックな展開と、エネルギーコストの低廉化を実現します。
 水素エネルギーは、エネルギー安全保障と温暖化対策の切り札です。これまでの規制改革により、ここ日本で、未来の水素社会がいよいよ幕を開けます。三月、東京で、世界で初めて、大容量の燃料電池を備えたバスが運行を始めます。来年春には、全国で百か所の水素ステーションが整備され、神戸で水素発電による世界初の電力供給が行われます。
 二〇二〇年には、現在の四十倍、四万台規模で燃料電池自動車の普及を目指します。世界初の液化水素船による大量水素輸送にも挑戦します。生産から輸送、消費まで、世界に先駆け、国際的な水素サプライチェーンを構築します。その目標の下に、各省庁にまたがる様々な規制を全て洗い出し、改革を進めます。

四 安全・安心の国創り

(被災地の復興)
 再生可能エネルギーから大規模に水素を製造する。最先端の実証プロジェクトが、福島で動き出しました。
 南相馬では、町工場の若い後継者たちが力を合わせ、災害時に水中調査を行うロボットを開発しました。その一人、金型工場の二代目、渡邉光貴(こうき)さんが、強い決意を私に語ってくれました。
 「南相馬が『ロボットの町』と言われるよう、若い力で頑張る。」
 原発事故により大きな被害を受けた浜通り地域は、今、世界最先端の技術が生まれる場所になろうとしています。
 福島復興特措法を改正し、イノベーション・コースト構想を推し進めます。官民合同チームの体制を強化し、生業(なりわい)の復興を加速します。
 今年度中に、帰還困難区域を除き、除染が完了します。廃炉、賠償等を安定的に実施することと併せ、二〇二〇年には身近な場所から仮置き場をなくせるよう、中間貯蔵施設の建設を急ぎます。帰還困難区域でも、復興拠点を設け、五年を目途に避難指示解除を目指し、国の負担により除染やインフラ整備を一体的に進めます。
 東北三県では、来年春までに、九十五%を超える災害公営住宅が完成し、高台移転も九割で工事が完了する見込みです。農業、水産業、観光業など、生業(なりわい)の復興を力強く支援します。
 熊本地震以来通行止めとなっていた、俵山トンネルを含む熊本高森線が先月開通し、日本が誇る観光地・阿蘇へのアクセスが大きく改善しました。今後、熊本空港ターミナルビルの再建、更には「復興のシンボル」である熊本城天守閣の早期復旧を、国として全力で支援してまいります。

(国土の強靱(じん)化)
 昨年の台風十号では、岩手の岩泉町で、避難が遅れ、九名の高齢者の方々が川の氾濫の犠牲となりました。現場に足を運び、御冥福をお祈りするとともに、再発防止への決意を新たにしました。
 水防法を抜本的に改正します。介護施設、学校、病院など避難に配慮が必要な方々がいらっしゃる施設では、避難計画の作成、訓練の実施を義務化します。中小河川も含め、地域住民に水災リスクが確実に周知されるようにします。
 治水対策の他、水害や土砂災害への備え、最先端技術を活用した老朽インフラの維持管理など、事前防災・減災対策に徹底して取り組み、国土強靱(じん)化を進めます。

(生活の安心)
 糸魚川の大規模火災で被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い生活再建、事業再開に向け、国も全力で支援してまいります。
 お年寄りなどを狙った悪質業者が後を絶ちません。被害者の救済を消費者団体が代わって求める新しい訴訟制度が、昨年スタートしました。これを国民生活センターがバックアップする仕組みを整え、より迅速な救済を目指します。
 三年後に迫ったオリンピック・パラリンピックを必ず成功させる。サイバーセキュリティ対策、テロなど組織犯罪への対策を強化します。受動喫煙対策の徹底、ユニバーサルデザインの推進、多様な食文化への対応など、この機を活かし、誰もが共生できる街づくりを進めます。
 昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります。

五 一億総活躍の国創り

 障害や難病のある方も、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる社会を創る。
 一億総活躍の「未来」を切り拓くことができれば、少子高齢化という課題も必ずや克服できるはずです。
 しかし、家庭環境や事情は、人それぞれ異なります。何かをやりたいと願っても、画一的な労働制度、保育や介護との両立など様々な「壁」が立ちはだかります。こうした「壁」を一つひとつ取り除く。これが、一億総活躍の国創りであります。

(働き方改革)
 最大のチャレンジは、一人ひとりの事情に応じた、多様で柔軟な働き方を可能とする、労働制度の大胆な改革。働き方改革です。
 アベノミクスによって、有効求人倍率は、現在、二十五年ぶりの高い水準。この三年間ずっと一倍を上回っています。正規雇用も一昨年増加に転じ、二十四か月連続で前年を上回る勢いです。雇用環境が改善する中、民間企業でも、定年延長や定年後も給与水準を維持するなど、前向きな動きが生まれています。
 雇用情勢が好転している今こそ、働き方改革を一気に進める大きなチャンスです。三月に実行計画を決定し、改革を加速します。
 同一労働同一賃金を実現します。昇給の扱いが違う、通勤などの各種手当が支給されない、福利厚生や研修において扱いが異なるなど、不合理な待遇差を個別具体的に是正するため、詳細なガイドライン案を策定しました。今後、その根拠となる法改正について、早期の国会提出を目指し、立案作業を進めます。
 一年余り前、入社一年目の女性が、長時間労働による過酷な状況の中、自ら命を絶ちました。御冥福を改めてお祈りするとともに、二度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で、長時間労働の是正に取り組みます。いわゆる三六協定でも超えることができない、罰則付きの時間外労働の限度を定める法改正に向けて、作業を加速します。
 抽象的なスローガンを叫ぶだけでは、世の中は変わりません。重要なことは、何が不合理な待遇差なのか、時間外労働の限度は何時間なのか、具体的に定めることです。言葉だけのパフォーマンスではなく、しっかりと結果を生み出す働き方改革を、皆さん、共に、進めていこうではありませんか。

(女性の活躍)
 「人は、幾つからでも、どんな状況からでも、再出発できる。」
 十六年間子育てに専念した後、リカレント教育を受け、再就職を果たした、島千佳さんの言葉です。役職にも就き、仕事に大変やりがいを感じているそうです。島さんは、笑顔で、私にこう語ってくれました。
 「子育ての経験をしたからこそ、今の職場で活かせることがたくさんある。」
 子育てや介護など多様な経験を持つ人たちの存在は、企業にとって大きなメリットを生み出すはずです。
 「百三万円の壁」を打ち破ります。パートで働く皆さんが、就業調整を意識せずに働くことができるよう、配偶者特別控除の収入制限を大幅に引き上げます。
 出産などを機に離職した皆さんの再就職、学び直しへの支援を抜本的に拡充します。復職に積極的な企業を支援する助成金を創設します。雇用保険法を改正し、教育訓練給付の給付率、上限額を引き上げます。子どもを託児所に預けながら職業訓練が受けられる、また、土日・夜間にも必要な講座を受講できるなど、きめ細かく、再就職支援の充実を図ります。

(成長と分配の好循環)
 保育や介護と、仕事の両立を図る。
 子育てを理由に仕事を辞めずに済むよう、育休給付の支給期間を最大二歳まで延長します。地方と連携し、子育て世帯に対する住宅ローン金利を引き下げ、三世代の近居や同居を支援します。
 「待機児童ゼロ」、「介護離職ゼロ」。その大きな目標に向かって、保育、介護の受け皿整備を加速します。国家戦略特区で実施してきた都市公園に保育園や介護施設の建設を認める規制緩和を全国展開します。
 人材を確保するため、来年度予算でも処遇改善に取り組みます。介護職員の皆さんには、経験などに応じて昇給する仕組みを創り、月額平均一万円相当の改善を行います。保育士の方々には、概ね経験三年以上で月五千円、七年以上で月四万円の加算を行います。
 加えて、全ての保育士の皆さんに二%の処遇改善を実施します。これにより、政権交代後、合計で十%の改善が実現いたします。他方で、あの三年三か月、保育士の方々の処遇は、改善するどころか、引き下げられていた。重要なことは、言葉を重ねることではありません。責任を持って財源を確保し、結果を出すことであります。安倍内閣は、言葉ではなく結果で、国民の負託に応えてまいります。
 年金受給資格期間を二十五年から十年に短縮します。消費税率引上げを延期した中でも、十月から、新しく六十四万人の方々に年金支給を開始します。自治体による国保の安定的な運営のため財政支援を拡充します。最低賃金が大きく上昇を続ける中、失業給付について、若い世代への支給期間を延長するなど改善を実施します。
 来年度予算では、政権交代前と比べ、国の税収は十五兆円増加し、新規の公債発行額は十兆円減らすことができました。こうしたアベノミクスの果実も活かし、「成長と分配の好循環」を創り上げてまいります。
 同時に、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するため、改革の手も決して緩めません。
 薬価制度の抜本改革を断行します。二年に一回の薬価改定を毎年実施することとし、国民負担の軽減と医療の質の向上の両立を図ります。医療保険で、高齢者の皆さんが現役世代より優遇される特例に関し、一定の所得がある方については見直しを実施します。
 累次の改革が実を結び、かつて毎年一兆円ずつ増えていた社会保障費の伸びは、今年度予算に続き来年度予算においても、五千億円以下に抑えることができました。引き続き、経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを同時に実現しながら、一億総活躍の未来を切り拓いてまいります。

六 子どもたちが夢に向かって頑張れる国創り

(個性を大切にする教育再生)
 我が国の未来。それは、子どもたちであります。
 子どもたち一人ひとりの個性を大切にする教育再生を進めます。
 先般成立した教育機会確保法を踏まえ、フリースクールの子どもたちへの支援を拡充し、いじめや発達障害など様々な事情で不登校となっている子どもたちが、自信を持って学んでいける環境を整えます。
 実践的な職業教育を行う専門職大学を創設します。選択肢を広げることで、これまでの単線的、画一的な教育制度を変革します。

(誰にでもチャンスのある教育)
 「邑(むら)に不学の戸なく、家に不学の人なからしめん」
 明治日本が、学制を定め、国民教育の理想を掲げたのは、今から百四十年余り前のことでした。
 それから七十年余り。日本国憲法が普通教育の無償化を定め、小・中学校九年間の義務教育制度がスタートしました。
 本年は、その憲法施行から七十年の節目であります。
 この七十年間、経済も、社会も、大きく変化しました。子どもたちがそれぞれの夢を追いかけるためには、高等教育もまた、全ての国民に真に開かれたものでなければなりません。学制の序文には、こう記されています。
 「学問は身を立(たつ)るの財本(もとで)ともいふべきもの」
 どんなに貧しい家庭で育っても、夢を叶(かな)えることができる。そのためには、誰もが希望すれば、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければなりません。
 高校生への奨学給付金を更に拡充します。本年春から、その成績にかかわらず、必要とする全ての学生が、無利子の奨学金を受けられるようにします。返還についても卒業後の所得に応じて変える制度を導入することで、負担を軽減します。
 更に、返還不要、給付型の奨学金制度を、新しく創設いたします。本年から、児童養護施設や里親の下で育った子どもたちなど、経済的に特に厳しい学生を対象に、先行的にスタートします。来年以降、一学年二万人規模で、月二万円から四万円の奨学金を給付します。
 幼児教育についても、所得の低い世帯では、第三子以降に加え、第二子も無償とするなど、無償化の範囲を更に拡大します。
 全ての子どもたちが、家庭の経済事情にかかわらず、未来に希望を持ち、それぞれの夢に向かって頑張ることができる。そうした日本の未来を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。

七 おわりに

 子や孫のため、未来を拓く。
 土佐湾でハマグリの養殖を始めたのは、江戸時代、土佐藩の重臣、野中兼山(けんざん)だったと言われています。こうした言い伝えがあります。
「美味しいハマグリを、江戸から、土産に持ち帰る。」
 兼山(けんざん)の知らせを受け、港では大勢の人が待ち構えていました。しかし、到着するや否や、兼山(けんざん)は、船いっぱいのハマグリを全部海に投げ入れてしまった。ハマグリを口にできず、文句を言う人たちを前に、兼山(けんざん)はこう語ったと言います。
 「このハマグリは、末代までの土産である。子たち、孫たちにも、味わってもらいたい。」
 兼山(けんざん)のハマグリは、土佐の海に定着しました。そして三百五十年の時を経た今も、高知の人々に大きな恵みをもたらしている。
 まさに「未来を拓く」行動でありました。
 未来は変えられる。全ては、私たちの行動にかかっています。
 ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても、何も生まれません。意見の違いはあっても、真摯かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこうではありませんか。
 自らの未来を、自らの手で切り拓く。その気概が、今こそ、求められています。
 憲法施行七十年の節目に当たり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる七十年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか。
 未来を拓く。これは、国民の負託を受け、この議場にいる、全ての国会議員の責任であります。
 世界の真ん中で輝く日本を、一億総活躍の日本を、そして子どもたちの誰もが夢に向かって頑張ることができる、そういう日本の未来を、共に、ここから、切り拓いていこうではありませんか。
 御清聴ありがとうございました。

※フォント赤色は小生による

2007年の参院選、既に十年前のことになるにもかかわらず、未だにトラウマになっているらしい。仮に言及するとしても末尾に付言するようなことをアタマに持ってきたことが、それを現している。
そして、サミットの括りにまで使った「アベノミクス」なる言葉の使用頻度が激減している。半年前に「エンジンを最大限に吹かす」と言ったのであるから、その戦果報告があって然るべきである。

倒産件数の減少も主張しているが、これは自殺件数の減少と同じである。人は一回しか自殺できないのと同様、企業も基本的に一回しか倒産できない。経済成長の成果とは言えない。

「堀江貴文の側にカネがなかったら」と思うことがある。居住地を固定せずにホテル暮らしらしいが、多くを恨みを買っているがために固定できないのが本当のところだろう。安倍晋三も似たようなもの。「総理大臣」という肩書きを聞かされれば、大抵の人は後ずさりする。だが、この人物から「総理」「政治家」という肩書きを外した場合、どれだけの人が崇拝するのか。

名前や肩書きで判断するのは楽である。前科持ちの中卒、今の日本でこれより下はない。
「行伝-Ko-den-」、どれだけのネームバリューがあるのだろうか。

アベはどこまでアホなのか

  • 2017.01.12 Thursday
  • 17:46
昨年に続いて、散らし初め:
2017-01-05 11.10.57.jpg

さて。

毎日新聞より:
「教育無償化」も…安倍首相が例示

自・維が協議開始へ

 安倍晋三首相が昨年10月、自民党の保岡興治憲法改正推進本部長と会談した際、日本維新の会の憲法改正原案に盛り込まれた「教育無償化」を改憲項目として例示していたことが分かった。複数の両党関係者が明らかにした。自民党はその後、改憲議論のテーマとして明記。教育無償化は野党や国民の賛同も得やすいとの思惑があるとみられる。20日召集の通常国会以降、本格化する改憲項目絞り込みの焦点の一つになりそうだ。

 関係者によると、首相は会談で改憲項目案の一つとして教育無償化に言及。保岡氏に…

「…」以下は有料記事

……、アホかいな。

第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。


article 26.
Aall people shall have the right to receive an equal education correspondent to their ability, as provided by law.
All people shall be obligated to have all boys and girls under their protection receive ordinary education as provided for by law. such compulsory education shall be free.


国立大学の一年間の学費が50万円もするのである、明らかに第一項に抵触しているではないか。センター試験と二次試験を受験するだけでそれぞれ数万円がかかる。

携帯電話の料金に口出しする前に、法整備をちゃんとせんかいな!

それでもって、東京新聞から:
2017-01-12 01.39.32.jpg

都合の悪い人間は次々と逮捕、勾留され、更に嫌われるとムショ送り。

そうそう思い通りになるものか

  • 2016.12.05 Monday
  • 14:13
過日、小生の生活様式に対して「徹底した断捨離ですね」と言われた。「いや、ウチにはモノは多いはずだが」と思ったが、靴は一足しかないし(最後に履いたのがいつか忘れたくらい。少なくとも今年はまだ靴を履いていない)、衣類も僅少。他方、……となる。一人暮らしの場合、必要なものか好きなものしかないのが普通ではなかろうか。使えなくなったり興味がなくなったりすると処分する、それだけである。

さて。



カジノ法案の性急過ぎる成立は、憲法改○のための取引を維新としたからだろう。毎日、朝日、読売、産経は3日の社説で、日経は4日の社説でカジノ法案について書いたが、主要紙がここまで足並みを揃えたのは「新銀行東京は諦めよ」以来ではなかろうか。

このTweetで紹介されていることの他にも、アベの空振りは幾つもある。

都知事選でしくじった。自民党候補が不利だと見るや応援演説を取りやめた。自分が応援に入って負けたとなればダメージが大きい、不戦敗である。北方領土もうまくいっていない。プーチン大統領を「ウラジーミル」と呼んで親密さをアピールしているが、国境線の変更には戦争レベルのイベントが必要であることは歴史が証明している。どれだけ「択捉島までが日本の領土」と言ったところで、相手が「そうですね」と応じるはずもない。これはどこの国の領土問題でも同じこと。非武装地帯にするという提案があるが、それもあくまでもロシアの領土としてである。

拉致問題については、全くやる気なし。景気回復についても、最近は本人がアベノミクスと言わなくなった。年金カット法案についても押し切ったが、これは前回「消えた年金」で辞任に追い込まれたトラウマ。反対意見に全く耳を貸さず、「理解が足りない」の一本やり。本当に足りていないのは本人のアタマ。よって、痛いところを突かれると感情を剥き出しにして「民主党政権は何もできなかったではないか!」。

……、「悪政を為すくらいなら、無政の方がまだいいんだよ」。論議の上で妥協点を見出せずに具体的な結果を出せなかったとしても、それは民主制が想定している一つの姿。

メディア統制も崩れ始めた。新聞とテレビに圧力をかけ、NHKには経営委員を変えてまで意中の人物を送り込んだ。だが、籾井勝人は実質上、クビになった。TPPその他の失敗はもちろん大きいが、一番のダメージはここだろうと小生は見ている。憲法改○への途半ばで、アンダーコントロールとしていた公共放送を手離すのは相当な痛手である。籾井勝人解任を黙って見ていたはずはなく、いろいろと裏で策を講じていたはずなのである。表面化しなかっただけで、これは大敗北である。もちろん、民放各局や新聞社その他のメディアもこれを見抜いていないわけがない。そうすると、第四の権力が機能を回復する。前回、お粥しか食べられなくなって職責を放り出すに至ったのは、第四の権力からの追及に耐えられなかったからである。そうであるが故、官房長官に菅を据え、就任早々からメディア統制を行った。それがここへきて破綻した。

昨夜のNスペは「戦艦武蔵の最期」であった。沈没直前に内部の砲弾と砲弾を射出するための火薬が爆発したのだろうという新説だった。自民党総裁選挙で野田聖子を力づくで抑え込んだアベ、自民党内部に相当な反乱分子が存在していることを知っている。

自民党の内規を変更してオリンピックまで首相であり続けようとしたようだが、夢想に終わる模様。

「それでも十分、『日本史上最もアホだった総理』として歴史に名を残すことはできるよ」、アベくんへ。

有能な者は疎まれる(自民党では)。

  • 2016.11.17 Thursday
  • 22:32
朝日新聞デジタルより:
自民、政治男女均等法案に異論続出 「有能なら自力で」
藤原慎一、松井望美2016年11月16日21時37分

 自民党は16日の党の部会合同会議で、国会や地方議会の男女の候補者数を政党ができる限り「均等」にするよう努力を求める「政治分野における男女共同参画推進法案」について議論した。慎重派議員から異論が噴出。今国会での提出に向けた党内手続きはいきなりつまずいた。
 会議では、西田昌司参院議員が女性の社会進出が少子化を加速させているとの考えを背景に、「女性の社会進出で、社会全体が豊かになっているとは思えない。もっと根本的な議論をしてほしい」と主張。山谷えり子参院議員も「法律をつくることで、かえって男女の対立が生じてしまうのでは」として、時間をかけた議論を求めた。
 ほかにも「能力のある人は自力ではい上がる」「政党が自ら努力する話」などと立法化することへの疑問も相次ぎ、党内議論はやり直しになった。野田聖子元総務会長らが法案の旗を振るが、推進派議員の一人は「これが今の自民党の限界」と漏らすなど、慎重派の説得にはなお時間がかかる可能性もある。
 自民の推進派は、党内で了承を取り付けたうえで今国会に法案を提出し、男女の候補者数について「同数」を求める民進や共産などと修正協議を行う段取りを描いていた。このまま自民の党内手続きが止まったままになれば、安倍政権が掲げる「女性活躍」は看板倒れとの批判を招きそうだ。
 一方、民進の部門会議では、自民の手続きが不調に終わったことが報告された。党内では、「均等」の表現になっても法案成立を優先させるべきだとの声が強まっているが、民進は当面、自民の動向を見極める構えだ。蓮舫代表は記者団に「(自民内での)反対の意味がわからない。私たちと違う考え方をお持ちの伝統的な政党だ」と批判した。(藤原慎一、松井望美)

※フォント赤色は小生による

では尋ねる:
「アベやアソー、イシハラその他多くの政治屋(特に自民党)は、オノレの能力で現在の地位のいるのか?」。

韓国の学歴主義が批判されて久しい。これは教育社会学で「後発効果」と呼ばれる現象である。出自を問わず、本人の実力のみで判断するという近世になって確立された考え方を適用すると、試験が全てになる。福澤諭吉は「学問のすゝめ」で「天は人の上に、人の下に」と尤もらしいことを宣ったが、自分の娘の結婚相手には武家であることを要求した。また、日清戦争についても「悪友と手を切る」として熱烈に支持していた。脱亜入欧論。

女性の有能さを認識しているからこそ、法での保障に及び腰なのだ。そして、遅々として進まぬ天皇の生前譲位。有識者会議が設置されたが、面子からして終わっている:

石原信雄(元内閣官房副長官)
今谷明(帝京大特任教授)
岩井克己(ジャーナリスト)
大石眞(京都大大学院教授)
大原康男(国学院大名誉教授)
笠原英彦(慶応大教授)
櫻井よしこ(ジャーナリスト)
園部逸夫(元最高裁判事)
高橋和之(東大名誉教授)
所功(京都産業大名誉教授)
平川祐弘(東大名誉教授)
古川隆久(日大教授)
保阪正康(ノンフィクション作家)
百地章(国士舘大大学院客員教授)
八木秀次(麗沢大教授)
渡部昇一(上智大名誉教授)


この面子で会合を行ったとすれば、結果は自ずから明らかとなる。最近、メディアで「官邸の意向」という言葉を見なくなった。一緒にメシを食っている人間に「それを書くと、メシに誘わないぞ」か。

 天皇は万世一系で続いている。人間個人としては亡くなられても民族や国民にとっては永世の象徴だ。陛下は(被災地など)外に出かけられ大変ありがたいが、肉体的、精神的につらく、ご自身が定義した役割を果たせないから退位したいというお考えはおかしい。「民安かれ」と祈っていただければよい。
 (おことばは)憲法違反に限りなく近く、負担軽減のため摂政を置けばいい。世論は天皇がお疲れだと同情するが、その先のことを考えていない。


これは会議後の平川祐弘のコメントである。天皇は万世一系?こういう考えの持ち主が「有識者」に含まれるのか?単なる「アベ識者・支持者」に過ぎない。アベに集められた面子だから、当たり前といえば当たり前である。

この件については特別立法で対応しようとするような動きがある。これは明らかに憲法違反である。

皇位は世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。(日本国憲法第二条)

素直に読めば、皇位の継承は皇室典範でしか規定できないことになる。特別立法での規定は無効である。だが、アベは昭和初期の天皇制を目指しているので、皇室典範を変更するような主張をするであろう人物はあらかじめ排除して「有識者」を集めた。

NHKの経営委員会と同じである。これらはアベが崩れれば総崩れになる。よって、攻撃点も明確である。現在は個々人がWebで情報発信できる。マスではないメディア(媒体)でも束になればマスを超える。

女性の社会進出にせよ天皇の生前譲位にせよ、立場に関係なく声を挙げ続けるべきであり、それこそがあのバカを首相の座から引き下ろす確実な手法である。

ことば

  • 2016.11.12 Saturday
  • 19:00
空気清浄機のフィルタを交換してみた:
空気清浄機フィルタ.jpg

言わずもがな、右が6年近く使ったもの。郊外で且つ、煙草は吸わず油料理もせず、それでも溜まるものは溜まる。一人暮らしなので人から出る汚れも少ないと言いたいところだが、小生は風呂が苦手なのである。

空気清浄機という家電は、昨今の家電としては極めて簡単な構造である。言うなれば扇風機の前か後ろ、或いはその両方に密度の濃いフィルタを装着するだけである。これは魔法瓶で有名な象印製のもののフィルタ。本体の製造はとっくの昔に終了されたが、この種の商品はこのようなメンテナンスパーツをどこまで供給できるかが製品の良否を決める。なんとかイオン(プラズマ)だのなんとかストリーマ、或いは高密度フィルタなどと本体の高性能を謳っても、交換部品の供給がすぐにストップするようであれば何の価値もない。

さて。

拙宅にはNHKスペシャル「魂の旋律〜音を失った作曲家〜」(2013年3月31日放送)を録画したものが二つある。一つはBD、もう一つはワンセグ。以下はワンセグからのショット(時系列):

01714.jpg

01800.jpg

01812.jpg

01819.jpg

01825.jpg

01831.jpg

01838.jpg

01843.jpg

01848.jpg

01852.jpg

これは番組開始からおよそ18分あたりの映像からのものである。画面に出るテロップの他に、デジタル放送故の字幕を下に表示させることができる。黄色の文字の部分はナレーターの台詞。ところが小生が示した最後の画像については、文字が黄色ではなく淡い青色である。これは佐村河内守本人の台詞であるからである:


「超うれしい」。


中高生の雑談ではない。
確かに、この台詞をテロップにしなかったスタッフの心情は理解できないものではない。しかし、これは間違いなく佐村河内守の口から出たものであり、その音声も放送された。

誰がどこでどのような言葉を用いようと、それは他者が口を挟むべきことではないし、誰もそんな資格を持っていない。小生とて、大学の一般教養での物理実験で電導体を液体窒素で冷やし続け、あるところを超えると電流値がテスターで振り切れるくらいに上がるのを見て、「『超』伝導」を目の当たりにした。今でも、どれだけ高い温度で超伝導現象を生じさせる物質(高温超伝導)を作れるかという競争は行われている。

非線形現象に対して「超」を使うのは、言葉の理にも適っている。だが、「チョーきれい」「チョーうまい」「チョー欲しい」「チョー美味しい」あたりには、ご自由にどうぞとしか言えない。「チョー」が濫用される前には、「すごい(く)」が使われていた「すごくかわいいからすごい欲しい」。

「すごい(く)」のときには「『凄』の偏は『にすい(冫)』だろう?」という指摘が可能であったが、「チョー」にはそのような解釈も説明も通じない。フルーツパフェを食して「これ、チョーヤバイ!」と宣うような輩には何も言わない。

言葉は意思伝達媒体であるので、重要なのは形式ではなく伝達力である。そして「チョーヤバイ」も伝達力を持つ。伝わる以上は存在意義がある。小生は言葉の変遷に物申す立場にはない。しかし、同種の言葉を使って意思疎通を図ることは小生にはできないので、発言者から距離を置くしか方法はない。


……。
Nスペのスタッフは「超うれしい」疑念を抱かなかったのだろうか。

NHKの報告書→これ(pdf)

時代遅れ

  • 2016.10.23 Sunday
  • 19:35
読売オンラインの発言小町より:
発言小町.jpg
リンクはこちら

「婚活中だから魅力的な趣味を?」よくわからん。仮に「逆立ちが趣味の人」「般若心経を唱えるのが趣味の人」という回答が圧倒的に多かったとすれば、この人はそれを趣味にするのだろうか?やはりわからん。


さて。


毎日新聞から二つ。
一つ目:
二輪車で提携 50CCの生産・開発
毎日新聞2016年10月5日 21時26分(最終更新 10月5日 23時43分)

 二輪車世界首位のホンダと国内2位のヤマハ発動機は5日、国内向け排気量50CCスクーターの生産・開発で業務提携を検討すると発表した。ヤマハ発が現在台湾の自社工場で生産している「ジョグ」と「ビーノ」を2018年をめどにホンダ熊本製作所(熊本県大津町)からの相手先ブランドによる受託生産(OEM)供給に切り替える。両社はかつて「HY戦争」と呼ばれる乱売合戦を繰り広げたライバルだが、国内二輪車市場の縮小を受け協調路線にかじを切る。【宮島寛、小川祐希】

 ジョグとビーノはホンダの類似車種「タクト」と「ジョルノ」をベースに、外観のみ変更して販売を続ける。宅配などに使われるビジネススクーターの次期モデルも共同開発し、ホンダ熊本製作所で生産する方向。OEM供給は年5万台規模になる見通し。電動二輪車普及に向けた充電インフラ整備などでの連携も模索する。17年3月の正式契約締結を目指すという。
 二輪車メーカーの双璧である両社は因縁の関係にあり、ホンダが四輪車の海外展開を本格化させた1979年には、ヤマハ発が間隙(かんげき)を突く形で首位獲得に向けた販売攻勢を展開。それを受け、ホンダは四輪車事業の予算を二輪車に振り向けるなどして徹底抗戦した結果、その後数年にわたって続く「HY戦争」に発展し、定価の半値以下の乱売合戦などに陥った。
 東京都内で記者会見したホンダの青山真二取締役は「過去にし烈な競争があったのは事実だが、しこりはない」と強調。ヤマハ発の渡部克明常務が「(縮小する二輪車市場に)単独で対応するのは難しいと判断した」と述べ、同社側から提携を求めたことを明かした。
 国内二輪車市場は電動アシスト自転車の普及などで縮小傾向にあり、15年の国内販売はHY戦争当時の1割強に落ち込んでいる。一方で排ガス規制は年を追うごとに厳しくなり、収益環境は悪化。特に50CCは日本独自の規格のため、輸出に振り向けにくいという事情がある。
 ヤマハ発の50CCモデルは他にも一部あるが、将来的には50CCの自社生産から完全撤退するとみられる。ヤマハ発は今後、利幅の大きい大型二輪などに経営資源を集中させる。また業界全体でも世界市場でも通用する125CCクラスの運転免許取得簡素化などを政府に求めていく考えだ。

 【キーワード】国内の二輪車市場

 販売台数は首位のホンダと2位のヤマハ発動機が「HY戦争」と呼ばれる激しい乱売戦争を繰り広げていた1982年の約330万台をピークに減少傾向に転じ、2015年はピーク時の1割強の約37万台まで落ち込んでいる。違法駐輪の取り締まり強化や電動アシスト自転車の普及などを背景に、販売総数の半分を占める排気量50CCクラス(原付き1種)の落ち込みが激しいのが一因。
 一方、400CCを超える大型バイクの販売は、かつて二輪車に乗っていた中高年が子育てを終えたり、定年退職したりしたのを機に再び乗り始めて堅調。シェアは首位のホンダが4割、2位のヤマハ発は3割で、3位のスズキを含む3社で全体の8割以上を占める。


二つ目:
<ホンダ・ヤマハ発提携>若者SNSに敗れたバイク文化
毎日新聞 10月23日(日)9時0分配信

<ホンダ・ヤマハ発提携>若者SNSに敗れたバイク文化

 国内原付きバイクの市場のほとんどのシェアを占めるホンダとヤマハ発動機が、排気量50CC以下原付きバイクなどの生産・開発で提携することになった。かつて大幅値引きで張り合う「HY戦争」と呼ばれるほどの激しい販売合戦を展開してきた2社が手を組まざるを得ないほど追い込んだ若者のバイク離れはなぜ起こったのか。そこには2大メーカーの販売努力であらがうのは不可能なほど様変わりしたライフスタイルの変化があった。【永井大介】
 原付きバイクの販売がピークを迎えたのは、年間約200万台近くが売れた1980年代前半だ。その後、市場は縮小を続けて2015年は19万3842台まで低迷するなど年間販売台数は10分の1になった。
 価格が15万〜20万円が主流の原付きバイクは、1台あたりの利益が少なく、さらに近年は排出ガスの規制や安全基準が厳しくなった。その対策費がかさみ、単独メーカーで事業を維持するのは難しくなっていた。では、なぜ市場は縮小したのか。

 ◇「三ない運動」で販売は頭打ちに

 バイクが売れた70〜80年代、若者にとってバイクは憧憬(しょうけい)の対象だった。その「入門編」でもある原付きバイクも免許取得が容易なこともあって飛ぶように売れた。一方で、「バイクブーム」は若者の交通事故の増加や社会問題化した暴走族の増加も招いた。
 こうした問題を受け、全国高校PTA連合会を中心に高校生のバイクの運転を禁止させるため、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という「三ない運動」を展開。警察の取り締まりや学校での指導も強化され、二輪車の売れ行きは頭打ちになった。

 ◇パソコンの普及とともに販売台数が急減

 さらにパソコンやスマホの登場が、「原付きバイク市場の縮小を決定づけた」(二輪メーカー関係者)。95年からの10年間で、90万台近くあった年間販売台数が一気に50万台程度まで減少。95年から00年は、就職活動などで使うため、大学生がパソコンを購入するようになった時期と重なる。
 原付きバイクの価格は15万円前後の車種が多く、ノートパソコンもほぼ同じ価格帯だ。また、それまで学生が就職活動の際に、志望動機などを手書きしていたが、インターネット上で受け付ける企業が増えたのもこのころだ。
 パソコンとインターネットによるメールやチャット、さらに携帯電話の普及などで若者のコミュニケーションツールも多様化した。ここ数年はフェイスブックやラインなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が浸透し、友人間の連絡はさらに容易になった。本人と直接話をしなくとも、近況もある程度は把握できる。二輪メーカー関係者も「『ちょっと原付きで友人に会いに行く』、そんな若者文化はなくなったのでは」とお手上げ状態だ。

 メインユーザーだった若者のバイク離れで、50CCバイクの販売台数の下落傾向に歯止めをかけることができず、ホンダとヤマハ発は手を組む必要に迫られた。

 ◇原付き市場を残さなければならない苦悩

 国内二輪市場はホンダ、ヤマハの2社に加えて、スズキや川崎重工の4社でほとんどのシェアを占める。二輪全体でみれば、女性ライダーの増加など明るい材料もあるが、原付きバイク市場の先行きを見通すことは難しい。地方都市での移動手段は軽自動車が主流で、子育て世代には「電動アシスト自転車」が人気を集めていて、原付きバイクの居場所はますます失われつつあるためだ。
 また、50CC規格は販売が国内のみの「ガラパゴス車種」であり、世界の二輪市場の売れ筋が125CCクラスが中心の海外では展開しづらいこともメーカーにとっては悩みの種だ。欧州や新興国では大型バイクに人気が集まっていて、国内メーカーの中にもこうした市場を強化するため販売戦略を見直す動きもある。ヤマハが今回、原付きから事実上の撤退を決めたのも、こうした世界市場の動向を見据えたものでもある。
 とはいえ、原付きバイクはさらに排気量の大きなオートバイへの「入り口」としての役割もあるため、原付きが国内市場からなくなればバイク市場全体をさらに縮小することにもつながりかねない。ライバル2社の提携は、先細りを続ける二輪市場の灯を消さないための苦渋の決断だったといえそうだ。

※フォント赤色は小生による

確かに原チャに乗っている人を見かける機会は激減したなぁ。代わりに電動アシスト自転車を見るようになった。前後にチャイルドシートをつけたのをよく見る。原チャだと二人乗りは不可で、この辺りの事情もあると思う。

記事中に「三ない運動」という言葉が出てくるが、今はこのような運動は不要なのだろう「当の高校生が乗りたいと思わないから」。そして、赤フォントにした部分。面と向かって話をすることの楽しさと重要性は否定しない。だが、代替手段が充実しているのも事実である。太田房江は大阪府知事をしていたころ、何か不祥事を起こすとすぐに新幹線に飛び乗り、東京の自民党本部に頭を下げに行っていた。

消費者庁を徳島県に移す構想にしても、「テレビ会議がうまくいかない」という問題が生じているという。永田町の住人は相手の顔が見えなければダメらしい。平均年齢が還暦を超えた集団だから、現状から40年は遅れている。

今の、「原チャなんかに興味はない」という世代が政治家として力を持つ時代になるまで待つよりない。

教育改革?オノレが先に勉強してくれ!

  • 2016.10.07 Friday
  • 02:13
花王フェザーシャンプー.jpg

昭和30年代の広告らしい、花王フェザーシャンプーという製品の発売は昭和30年頃とのこと。昭和20年代は社会の立て直しが最優先だったろうから、風呂やシャンプーなどは後回しにされたのだろう。しかし、銭湯はそれなりに繁盛していた模様で、洗髪料金が入浴料金とは別に設定されていた。よって、風呂には入るがシャンプーはしないというのが一般的な感覚だったのだろう。

「5日に1度は」と宣伝されているということは、一般的な洗髪頻度はそれ以下だったのだろう。へぇ。


さて。


毎日新聞より:
“4分の3+7分の1”を答えられますか? いつのまにか分数の計算方法を忘れていた


 反復問題集のことをドリルという。穴をあける工具のこともドリルという。共に、英語のスペルは「drill」という表記だ。和製英語かと思っていた。英語圏向けネットショッピングサイトのAmazon.comを検索すると、海外でも「Math Drills(算数ドリル)」や「Daily Learning Drills(毎日ドリル)」という参考書が売られていた。人種や文化にかかわらず、ドリル学習には一定の効果があると考えられているようだ。
 わたしは、たまに小学生用のドリルを買う。30歳をすぎたあるとき、分数の計算ができなくなっていることに気づいたからだ。危機感を覚えた。

■異なる分母同士の分数計算がわからない!?

 文部科学省の「小学校学習指導要領」によれば、分数の計算は小学3年生から学習がはじまる。異なる分母の計算は小学5年生で習う。

【問題A】
4分の3と7分の1を足し算しなさい

 正しい解答を得るためには、異なる分母をそろえる「通分」の知識が必要だ。通分では、それぞれの分母の最小公倍数を求める。最小公倍数を求めるためには、小学2年生で習った乗法九九の知識を使う。4の段と7の段で共通するもっとも小さい倍数。つまり、4と7の最小公倍数は28だ。通分すれば、分母だけでなく分子の数値も変化する。

(問題Aの答え:28分の25)

■小学生レベルの大人にならないために

 幼稚なふるまいを指して「小学生レベル」と言うことがある。もしも異分母の足し算ができなければ、小学5年生の児童にも劣る存在ということだ。いわば小学4年生レベルの大人だ。たとえ社会的地位が高くても、異なる分母の分数計算ができなければ、小学4年生レベルの部長であり、小学4年生レベルの常務であり、小学4年生レベルの社長ということになる。
 社内でどれだけ偉そうにしていても、異なる分母の分数計算すらできない人間は、陰で社員たちに「小学生レベルの上司www」などと笑われている可能性がある。たとえ業績が好調であっても、経営陣のなかに小学生4年生レベルの役員がいることを株主に知られてしまえば、時価総額に悪い影響を与えかねない。成人後におけるドリル学習の重要性をおわかり頂けただろうか。

■大人向けドリルの効能

 わたしの場合、子どものときは「覚えるため」に使っていたが、いまは「忘れないため」に学習ドリルを活用している。はじめは、小学2年生か3年生の算数ドリルでいい。習慣づくりのためだ。1冊500円くらいで買える。内容は、2ケタや3ケタの足し算・引き算など。ひたすら解いていく。答え合わせはしない。ほとんど正解に決まっているからだ。数日間で1冊を終えられる。暗算のトレーニングになる。お手軽に達成感を味わえる。
 算数ドリルの単純作業に疲れてきたら、国語ドリルがオススメだ。漢字の読み書き、四字熟語や慣用句(ことわざ)の意味など、ふだんの生活でも役立つ知識を得られる。国語ドリルに関しては、小学生用ドリルよりも、大人向けドリルのほうが実用的かもしれない。『脳が活性化する 大人の国語力 脳ドリル』(川島隆太・監修/学研プラス・刊)を紹介しよう。

実験は、本書と同じタイプの「四字熟語」問題と「ことわざ・慣用句」問題を解く作業を、光トポグラフィという装置を用いて、脳の血流の変化を調べていきました。
(中略)
安静時に比べて問題を解いているときは、脳の血流が増え、活性化していることが最新の脳科学によって判明したのです。(『脳が活性化する 大人の国語力 脳ドリル』から引用)


 「すらすら読みたい&書きたい日本語」「大人の慣用句&言い回し」「日常生活でよく使う言葉&漢字」「品格が身につくことわざ&故事成語」「四季の言葉&美しい日本語」など、140日分(2100問)を収録している。
 1ぺージあたり15問程度、5分くらいで解ける。漢字検定ほど難しくはないが、テレビのクイズ番組よりは歯ごたえがあった。血流量が増えたかどうかはわからないが、問題を解いているときに、おでこのあたりに熱を感じた。風邪かもしれないが。(文:忌川タツヤ)


……。これが記事になるということは、分数の計算のできない大人が相当数いるということ。小生は大学入試向けの数学の問題集を暇潰しに読むことがあるが、小学生向けのドリルも同じようなものなのだろう。

確かにドリルという形で訓練するのはいいかもしれない。だが、分数そのものの定義(※)を覚えておけばそれですむはずである。


「もとになる量に対して、任意の実数(=分母の数)で分割し、それが幾つ(=分子の数)あるか」

これさえ押さえておけば、足し算も引き算もわけない筈である。「被選挙権を行使しようとしている者に対しては当該自治体で実施されている公立高校の入試問題を解かせ、8割以上の得点を要求する」「政治家の中で『教育』について何らかの会議なり集団なりに属している者には、高校入試とセンター試験を課す」とは以前から言っていたのだが、とても無理であることがわかった。

「なるほど小学生レベルであるから、あのような不毛な答弁になるのか」、合点がいった。

大手新聞社のこの記事は、犯罪に近い。

  • 2016.09.08 Thursday
  • 15:42
iOS、Android問わず、ニュースアプリなるもののPRが盛ん。
「Yahoo!ニュース」「SmartMews」「Gunosy」などなど。


新聞社もアプリ(小生は「アプリ」という略語を嫌いである)を出している。産經新聞は東京版の全紙面をまるまる読めるアプリを無料で公開している。

新聞社アプリはその新聞の購読を前提としているものが大半であり、見出しくらいしかわからない。かといって「Yahoo!ニュース」「SmartMews」「Gunosy」を使おうとも思わない。PC向けのYahoo!のポータルサイトや楽天のそれであるInfoseekなども使う気にならない。Yahoo!ニュースの見出しならば、「こういうことが話題になっているのか」と思いクリックすることもあるが、Infoseekのは週刊誌の見出しと大差ない。

「どのようなニュースを」「誰が」「どのような視点で」

大事なことはこれである。フリーライターの記事の場合は、そのライターの書いた他の記事にも当たることになる。この前は「『イギリスがEU離脱するなら、日本企業はイギリスから引き上げる』と安倍晋三が宣った」というようなフリーライターの記事があった。イギリスはそれに対して大きく動揺したというような内容であったが、調べるとフリーとはいえ、以前に産經新聞の欧州支局にいた人物であった。

くだらん。


さて。


毎日新聞より:
9年かけ500キロ 76歳、車椅子購入し寄贈

 栃木県日光市今市の主婦、大貫静子さん(76)が9年間かけて集めた空き缶のプルタブ約500キロを原資に車椅子1台を購入して市に寄贈した。「困った人のために」と共に集めた夫の由一(よしいち)さんは2012年8月に80歳で他界。由一さんの遺志を継いだ大貫さんは「肩の荷が下りました。目標達成をお父さんに報告したい」と話した。
 大貫さんは、由一さんが所属していたサッカークラブがプルタブを集めて車椅子を贈る取り組みに感銘し、夫婦で同様の活動を始めた。地元住民や知人らに頼みながら地道にプルタブを集め、07年に1台目の車椅子を市に贈った。
 2台目を目指して活動していたが、由一さんが病に倒れてしまった。大貫さんは看病に追われて活動のペースは鈍り、由一さんが亡くなってからは目標を失いかけたという。
 だが大貫さんのもとには、活動を口コミで知った人たちの「小さいけれど、とても重いプルタブ」が次々と寄せられた。プルタブ一つを届けてくれた小学校低学年の児童、リュックサックいっぱいに詰め込んで群馬県から励ましに来てくれたお年寄り−−。「『2台目』の目標を成し遂げるまで頑張ろう」と自らを奮い立たせた。その後は知人らに声をかけたり、自分で集めたりしながらこつこつと活動を続け、9年間で507キロ分のプルタブを集めた。
 8月に市役所であった贈呈式で大貫さんは「プルタブを届けてくれた皆さんの善意が形になった。匿名の方もいて全員にお礼が言えないが感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。車椅子を受け取った斎藤文夫市長は「簡単なようで大変な作業。集まった善意は車椅子に集約されている。大切に使わせていただきます」と感謝を伝えた。
 市健康福祉部によると、車椅子は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で使用するという。【花野井誠】


プルタブについては3年以上も前に書いた。これ
プルタブも本体も同じアルミニウムであり、プルタブだけが希少な金属であるというワケではない。アルミ缶リサイクル協会も「プルタブははずさないで」と言っている。こちら

ポスターもある。これこれ

誤解した人が勝手にやるのは仕方がない。だが、全国紙がそれを賞賛しては困る。

逃避したものの怨念

  • 2016.08.24 Wednesday
  • 19:49
アホなニュースを二つ。
一つ目、Yahoo!ニュース(AERA)から:
受験か英語か、両立か――多様化する進路に戸惑う親
8月23日(火)14時11分配信

小学校で英語が必修化され、今後は大学入試でも英語の「話す力」が問われるようになるという。子どもに「使える英語」を身につけさせるには、時間もお金もかかる。急激にグローバル化する時代、教育熱心な親たちは、あれもこれも教えなければ取り残されるのでは、と焦っている。(Yahoo!ニュース編集部/AERA編集部)

英語力の「小4の壁」

英語教育の関係者の間では「小4の壁」という言葉が使われている。乳幼児の頃から、通信教育の教材や英会話スクールなどで子どもに身につけさせてきた英語の能力が、小学4年生をピークに落ちていくことを指す。その理由は、中学受験だ。

東京都内で小学4年生の長女(9)を育てている母親(42)も、「小4の壁」にぶち当たっている。自身は帰国子女で、外資系企業に勤務。長女には0歳の頃から、通信教材で英語に親しませ、小学1年生からは週3回、放課後に、ネイティブの英語に触れることができる民間の学童保育に通わせている。おかげで、簡単な日常英会話ができるレベルにまでなった。毎年夏には長めの休みを取って英語圏に旅行し、「実践」もさせてきた。

しかし、今年の夏休みには、旅行の計画を立てられなかった。代わりに長女は毎日、塾の夏期講習に参加している。私立中学に進学することを視野に、3年生の2月から大手の学習塾の受験コースに通い始めたのだ。夏休み前の保護者説明会で、塾の講師は「伸びる子はここで決まる。4年生の夏休みが勝負です!」と語気を強め、びっしりとカリキュラムが詰まった学習計画表を配った。「うちは海外に行くつもりで……」とは言い出せなかった。


もう英語どころではない

周りのママ友たちも、子どもが3年生までは「英語が話せたら就ける職業の可能性が広がる」「世界中どこでも通用する力を身につけさせたい」などと真剣な表情で話していたが、4年生になると一変、模試の結果や偏差値とにらめっこ。受験するのなら、もう英語どころではないという雰囲気だ。

「せっかく時間もお金もかけて英語を身につけさせたのに、受験に邁進する3年間ですっかり忘れてしまうかもしれません。でも、受験に勝ち抜かなければ英語力を生かすチャンスが減るかもしれない。優先順位をどうつければよいのか、悩みます」

と、この母親は言う。

教育に関する情報感度が高い親ほど、思考力やコミュニケーション力を養うために、子どもに早くから英語を学ばせたり、さまざまな体験をさせたりしている。親自身も教育熱心な家庭で育ち、高学歴がプラスに働いた体験をしている場合が少なくない。子どもが成長するにつれ、受験を考え始めるのは当然の流れだ。

結果、「小4の壁」にぶち当たることになる。多くの受験塾は小学4年生で週2日からとなり、6年生になると週4日を超えることもある。英語と受験を両立させようとすると、時間が足りなくなるのだ。

英語入試は「狭き門」

もちろん、英語を入試科目に取り入れる中学も増えている。首都圏模試センターの調べでは、2016年度に帰国子女枠ではない一般入試に英語を導入した首都圏の中学は64校で、前年度からほぼ倍増。そこで求められるのは英検4級以上や、面接担当者と会話ができるレベル。週1回の英会話スクール程度では太刀打ちできそうにない。英語で受験するなら、時間をかけて、受験のための英語をやらなければならないのだ。

親が「英語も受験も」と考える背景には、文部科学省が進める大学入試改革がある。2020年度に導入されるセンター試験の後継テストでは、英語で「読む・書く・聞く・話す」の「4技能」が重視されるようになり、これまでの「受験英語」とはまったく違う問題になることが想定される。さらに文科省は、欧米トップ大学を含む世界の大学が入学資格として認める「国際バカロレア(IB)」の国内認定校を、18年度までに200校に増やすという目標も掲げている。小学校ではすでに11年度から高学年で英語が必修化され、20年度には学習指導要領の改訂で中学年でも必修化、高学年では「教科」となる見通し。親の世代なら、高校で2週間の海外ホームステイをしただけで羨望の的となっていたが、グローバル社会で通用する人材になるためには「英語は話せて当たり前」。問われるのはその先の能力なのだ。

急激なグローバル化に戸惑う親

親のためのグローバル教育情報サイト「Glolea!」編集長の内海裕子さんはこう話す。

「学校教育や企業の急激なグローバル化に直面し、親は子どもにどんな道を選ばせるべきかと戸惑っています。かといって、学歴も無視はできない。ここで英語をやめると、英語力を習得するのに必要な『継続と集中』がいったん途切れることになってしまいます」

中学受験のために習い事やスポーツをやめたり減らしたりする子どもも少なくない中、英語についてはどうするか。内海さんは言う。

「中学受験の勉強は甘くはないので、小学4年生からは英語は続けても気晴らし程度という人が多くなります。スカイプレッスンなどで細々とつないだり、夏休みを利用してフィリピンやハワイで短期集中型の親子留学をしたりする人が増えています」

進路は海外にも広がる

13年度に開校した「東京インターナショナルスクール アフタースクール」は、すべてのカリキュラムを英語で実施する民間学童保育。小学1年生から、週3日以上の通学を必須とすることで、英語での確実なコミュニケーション力の獲得に必要な2000時間を達成できるとしている。これまで通学対象は小学4年生までだったが、17年度からは5年生以上にも、週2回の通学コースを新設する予定だ。スカイプなどで担任教師から個別に指導を受ける「チュートリアル」との組み合わせで、受験塾とも両立できるようにする。坪谷ニュウェル郁子代表は、こう話す。

「受験路線しか知らない親世代は、担保として受験塾や偏差値の高い学校に入れたいと思いがちだが、大学入試改革によって受験の形や求められる能力は確実に変わる。私立中学の英語入試、IB認定校や海外の高校・大学など、進路の選択肢は増えています。目の前の点数や偏差値に一喜一憂するのではなく、大きな流れを見てほしい」

英語が受験に生きる

「僕、実験がたくさんできる中学に行きたい」

首都圏に住む編集者の女性(37)の小学5年生の長男(10)が突然の「受験宣言」をしたのは、4年生の夏。女性は当時を振り返り、「慌ててしまいました」と話す。

小学校に入る前から、近所の英会話教室に通わせたり、エジプトなど各国の駐日大使館のイベントに参加して英語のプレゼンを聞かせたりしてきた。息子が自ら考えることができる機会をつくろうと、クリティカルシンキング(批判的思考力)を親子で学んだり、作文教室に通わせたりとさまざまな経験もさせた。中学受験は考えていなかった。

調べると、「実験をしたい」という息子の希望にかなうのは公立の中高一貫校。過去の入試では身体障害者用の駐車スペースの利用法について意見を書かせるなど、記述力や思考力を重視する傾向があった。

「結果的に、やってきたことが受験に生きるかもしれません」

いつから英語を学ばせるか。子どもに何を体験させるか。選択肢は多いのに「これをやれば確実」というものがない。だから親たちは、迷うのだ。


二つ目、「レアジョブ英会話」という英会話スクールの記事から:
小学校英語教育、2020年「小学3年生から必修化」、「小学5年生から教科化」。英語教育の早期化がもたらす影響とは?

2008年度に小学5,6年生を対象に外国語活動として小学校の英語教育は始まりました。2011年度に「小学5年生から必修」となり、今では、小学校での英語教育はすっかり浸透しています。
この流れはさらに低学年化されることになります。「小学3年生からの必修化」「小学5年生からの教科化」が2020年度に完全実施されます。移行期間を考えると、学校によっては2018年度から段階的に実施されるはずです。このような英語教育の早期化は、日本の英語教育に、または、日本人の英語力にどのような影響をもたらすのでしょうか。

「必修化」「教科化」とは?

「必修化」「教科化」と聞いてもなじみの薄い言葉かもしれません。「必修」とは文字通り必ず小学校で教えられなければならないということです。しかし、「教科」ではないので、国語や社会などのように教科書がありません。よって学習内容・テキスト等は学校(教員)独自に決められます。例えば、現在社会人の方が小学生の頃、金曜日の6時間目などに「必修」の「部活動」の時間があった方も多いと思います。

「教科」とは、簡単に言えば、検定教科書(文科省の検定に合格した教科書)を使用し、テストが行われて通知表に数値による成績がつくということです。この「成績がつく」というのが、生徒、保護者、学習塾業界などに大きなインパクトを与えるのは言うまでもありません。

まず変わるのは・・・?

この動きの中で真っ先にあげられる変化は中学受験における英語の導入でしょう。特に首都圏の私立中学校は、6年後の大学入試で最重要科目となる英語が得意な生徒に入学してもらいたいという本音があります。現在でも中学入試に英語を導入している学校もありますが、そのような学校の大半は帰国子女向けの特別枠です。「教科」になり、全ての小学生にテストによる成績がつけられれば、中学受験への英語の導入は一斉に広がって行くことは間違いありません。中学受験で広まれば学習塾が必ずその流れに追随します。小学生英語を取り巻く状況は一変し、加熱することは目に見えています。

反対する声もありますが・・・。

この英語学習の早期化に反対する声もあります。その代表的なものが「まずは日本語から・・・」というものです。この件に関する論文や記事は私自身もかなり読んできました。それらの大半が「母語がある程度確立してからの方が外国語の学習効果は高まる」「言語脳の発達過程では一つの言語に集中すべき」という発想です。

これはわかります。しかし、小学校で扱われる英語はせいぜいリンゴの絵を見て「APPLE!」。ペアになって「How are you?」「I am fine! / hungry!」です。複雑な英文構造を読解する力は、母語がある程度確立してからの方が効果はあると思います。しかし、APPLE!やHow are you?と口に出すことが、日本語の習得を妨げることになるとは思えません。

そして、このことは英語先進国と知られる韓国で証明されています。韓国では1997年に小学校3年生から英語が必修化されました。それが韓国人の英語力向上の大きな要因になっていることは周知の事実です。そして、母語である韓国語習得への悪影響がなかったことも様々なデータから明らかになっています。

英語教育の早期化。保護者としてできることは?

小学校の英語教育早期化は保護者にとっても大きな関心です。英語学習業界もその流れに拍車をかけています。小学3年生での必修化を受けて、より低年齢層(小学3年生未満)への教育も盛んになってきました。この流れに反対ではありませんが、やはり、冷静な判断は必要だと思います。低年齢層への英語学習ブームもあり、「今の(小さい)うちにLとRの音の聞き分けを・・・」「〇歳までが正しい発音習得の・・・」などといううたい文句もよく目にします。不安を煽られている保護者の方も多いようです。

このような風潮には首をかしげたくなります。私は今でも明瞭に発音してもらわなければLとRの違いは分かりません。しかし、それが原因で英語学習や英語指導に困ったことは皆無と言っていいでしょう。感覚的には伝えにくいので、ありのままに書かせていただきますが、先週(1月24日)の英検一級は本会場で受験しました。リスニングパートは2問ミスのみ(32/34点)でした。合格者の中でも上位の成績のはずです。LとRの違いが分からなくても、英検一級のリスニングは十分聞き取れるのです。(もちろん、英語教育者として努力はしなければなりませんが・・・)。

英語教育の早期化によって子供たちが得る最大の恩恵は、「発音が・・・」「聞き取りが・・・」「学習内容が・・・」ではないのです。幼いころから英語に接することにより、「英語って楽しい」「英語が話せたらカッコいい」という気持ちを子供たち自身が人生の早い段階で感じることだと思います。
 サッカー日本代表の長友佑都は「物心ついた頃からサッカーボールを蹴ってました」と言います。この感覚は英語学習にも大切なはずです。

※フォント赤色は小生による

……、もう何と言っていいのやら。

後者の文章では「早期の英語教育が日本語の習得に悪影響を与えることはない」という。しかし、小学校で習うとされる英語は、大人なら数時間で修得できる。

リンゴの絵を見て「APPLE!」。ペアになって「How are you?」「I am fine! / hungry!」
これをすらすら言えたとして、それがどうだというのか。

外国語の学習そのものを否定するものではない。むしろ、母国語を相対化して捉えるために必要だと思っている。だが、中学からの6年間で十分間に合う。小生はパスポートを持ったことがない。英語の学習は日常生活の中で、それも気の向いたときに。教材にも自分で制限を設けている「高校生や大学受験生が使うもの」。それでもネイティブとの会話に特段困ったことはないし、[I've never been abroad.] と伝えると驚かれる。決して高校生に求められる英語力を全て身につけているワケではない(∵センター試験の過去問でも、大学別の筆記試験でも満点を取れない)。それでも英字新聞を読み、ネイティブと特定のトピックに関しての込み入った会話をすることはできる。高校英語の水準が斯く高いことを、小生は身を以て証明しているつもりである。

百歩譲って、中学より早い段階で英語を始める必要があると認めるとしよう。ならば、「将来、外国語で仕事をする可能性のある子ども」にその言語を同じ時期から学習させるべきである。ドイツの日本大使館で働きたいと思っている子どもにはドイツ語を、同じようにフランス語、ロシア語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、タイ語、インド語、アラビア語、中国語、韓国語、ロマンシュ語、スワヒリ語、……。

現在、国交のある国には(日本)大使館が設置されている。英語だけで仕事ができるところは稀なはずである。
語学に限らない。医者として働いている人は、幼少時から人体の内部構造に興味を持っていたとでもいうのだろうか。


---
英語学習のことを考えると、本当にピアノのレッスンに似ていると常々思う「挫折した人の多さ」。

「大学に入ってからサックスを始めた」という知人がいる。トランペットでもコントラバスでもいいのだが、ここに違和感を覚える人は少ないはずである。だが、小生が「ピアノを始めたのは二十歳から」と宣うと間違いなく驚かれる。驚かれるが事実である。二十歳から始めたとしても、小生は現在45歳である。休み休みであっても25年もやっていれば、そこそこの腕前にはなる。

ピアノは小さいときに苦しめられた人が多いのである。最近は減ってきたようだが、それでも三十歳以上の女性に訊くと半数以上は幼少期にやっていたと応える。バイエルとチェルニーに苦しめられたのだろう。小生はどちらもやったことがない。事情は英語も同じで、苦しめられた人の数はピアノのそれの比ではない。英語の早期必修化は、そういう人たちの怨念によるとしか思えない:

「学生時代にあなたは英語で嫌な思いをしたのかもしれない。だが、それは単にあなたが英語の学習から逃げ回った結果に過ぎない」。

これを嘲る人は、現状を知らない。

  • 2016.08.21 Sunday
  • 22:10
やっと、国内の民族大移動が終わった感がある。

「盆正月とGWにはどこかに行かなければいけないのか?」いや、その時期しか休みを取れない人たちには遠慮なく休んでいただきたいし、或いは旅行や帰省を楽しんでいただきたい。ただ、他の日程でも休みが取れる人に対しては「どうして態々、混雑を増大させるようなことをするのか」。小生の知っている人は盆正月しか休みが取れなかったようで、この夏に北海道から名古屋の実家へ、子どもさんを連れて戻られたらしい。涼しいであろう北海道からサウナ紛いの内地に戻る?そこしか休みがなかったとしても、これでは仕事よりも疲れるような気がする。

フレックスタイムやワークシェアリングなどと叫ばれても、現状は旧態依然。役所は率先して土日祝も業務を行うべきである。服装や髪型には規制を設けない役所が多いが、働き方は変わらんらしい。土日祝に開ければ、雇用も増える。銀行や病院にも同じことを思う。銀行はオンラインバンキングやコンビニATMなどで幾分かの改善は見られるが、病院は思いっきり休んでくれる。いや、個人の開業医ならば構わんよ。けれども、未だに「休日夜間の診療医院・病院」が告知されている。勿論、患者の安直な受診、コンビニ受診といわれるそうだが、それらは慎まなければならない。けれども、スタッフをローテーションで回しているような病院であれば、なんとでもなろう。入院病棟には常時スタッフがいるではないか。外来に対してはそれができない?


さて。


信毎web(信濃毎日新聞のサイト)より:
長野大入試の英語問題が酷似 海外サイトを参照

 長野大(上田市)が今年1月に実施した2016年度一般入試の英語問題で、設問の一部がカナダの大学付属語学学校が開設しているインターネットの学習サイトの設問に酷似していたことが分かった。学外からの指摘で発覚した。大学側は17日、同大の男性教員が、長文の引用だけでなく設問も含めて入試問題の作成にこのサイトを参照したことを認め、「再発防止に努める」としている。
 広報入試課によると、酷似していたのは、英語の長文を読んで設問に答える問題で、内容は中国の民話の一節。大学側は、設問8問中4問がこのサイトにある設問とほぼ同じ内容と判断した。
 入試問題は通常、公開された著作物などから長文を引用し、設問は大学側で作る。しかし、今回の問題作成に当たった教員は、長文と設問がセットになった学習サイトを参考にしていた。この教員は大学側に対し「サイトを参考にしたが、全く同じにならないように留意した」と釈明しているという。
 大学側は、海外の一般向けではないサイトで、多くの人が閲覧する可能性は低いなどと判断し、「試験の公平性に問題はなかった」(池谷道英広報入試課長)との見解を示している。
 広報入試課は、再発防止策について、入試問題作成を担当する複数の教員が集まって問題を検討する際に出典を確認することや、科目ごとに問題作成ガイドラインを設けることなどを挙げている。
 同課によると、この英語問題に臨んだのは20人。問題作成者については、入試情報の漏えいなどを防ぐためとして、学内でも明らかにしていない。
(8月18日)


この大学の他には、青森大学、宮城大学、神奈川大学、奈良大学、兵庫大学、愛知大学、福岡大学、沖縄大学がある「県名を冠した私立大学」。長野県にある国立大学は信州大学である。ま、こんなことはどうでもいい。英語の入試問題の素材探しは斯様に難しい。このことは三年前に書いた。これ

・政治的宗教的な色合いがなく
・特殊な専門知識を必要とせず
・それなりに知的な内容であり
・表現や構文が適度に難しい


こんな条件を満たす長文がそうそう見つかる筈がない。制限は他にもある、「自学だけではなく他学、センター試験の過去の問題でも使われていないこと」「高校生の教科書や副読本に載っていないこと」。

「英語を読めますか、書けますか?」と英文和訳と和文英訳だけを出題している京大の英語入試は、受験生の英語の力を測る王道である。ここに「聴き取れますか、話せますか?」という問題を加えれば完璧であるのだが、事務処理の問題で実施できない模様。だが、読めないし書けないような受験生が音声での問題に対応できる筈がない(帰国子女などの例外は除く)。

センター試験と同じように、英語の問題に関しては国公私立を問わず全ての大学が京都大学と同じような問題を出せばよいと思うのだが、一般教養課程でbe動詞の活用を教えるような大学もあるのだから無理である。

文科省はセンター試験にかわる試験を実施するといい、その中でも国語を筆記式にするという「マークシートでは本当の国語力を測れない」。

マークシート試験に対するこの認識そのものは間違っていない。しかし、提言したり会議に加わっている人の中でどれだけの人が現行のセンター試験や大学の個別試験に目を通したのだろうか。

小生も受験生の頃はセンター試験の国語に苦しまされた。だが、いろんな書物を読んだ今では、それぞれの設問は妥当だと思えるし、これで正答を出せないようならば筆記試験など課すだけ無駄。

外国人を想定すればわかりやすいかもしれない。「ひらがなを読めるか」「漢字混じりの文章を読めるか」これらの試験には選択式の問題で十分である。「外国人と日本の受験生を同一視するのか?」と非難されるかもしれない。非難する人は現状を知らないだけである。別に現在の受験生と対面せずともよい、「アベシンゾー」という人の答弁をテレビで見れば十分である。全く「答」弁になっていない。訊かれたことに答えていないし、自分には答えられないようなことを訊いてくる人間に対しては場すら与えない。

「子どもの手本」という表現があるが、「人間は勉強しなくてもよい」という姿を連日曝している人物がいる以上、どれだけ政治屋や文科省、現場の教師が努力しようと、徒労に終わるのは必至である。

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

******

******

******

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM